第十回泉岳寺講談会~聖地で義士伝!

2022年8月14日
泉岳寺へ行って参りました。
当日の公演は『第十回泉岳寺講談会』

2021年9月から開始した、毎月14日(12月除く)の公演で
講談協会・日本講談協会による共催となっています。

赤穂浪士の聖地よろしく、主任の演題は基本的に義士伝です。

演目

一龍齋貞介 橋弁慶
神田陽菜  奴の小万
神田桜子  般若のお作~お作の本性
神田阿久鯉 難波戦記~長門守木村重成の最期

~仲入り~

田辺凌鶴  生か死か
一龍斎春水 義士銘々伝~前原伊助 (下坂)姉弟の仇討

まとめ

受付をされていたのが、講談協会真打・一龍齋貞寿さんでびっくり!
スタッフの方もかなり多く、公演への意気込みをひしひしを感じました。

開場後に読経が始まる様子。
出囃子がない本来の(!?)講釈場の雰囲気。
そして、『切腹最中』新正堂さんの後ろ幕。

講談はまだまだ奥が深い芸能だなあと感じた一日でした。
その深淵には、一生かけてもたどり着けないのでしょうね。

桜子さん お作の本性

『ホコリを取ったら何も残らない』長屋から始まるお作の悪事
若旦那は帳場から5両くすねるところから始まりますが
次第にエスカレートすることになるとは予想していないでしょうね。

『女性の鼻声はお金になる』とか。
声フェチの筆者はすぐ引っかかることでしょう(笑)

阿久鯉さん 長門守木村重成の最期

初めて聴いた時の衝撃がいまでも残っているお話です。
妻・青柳の動向が史実とは少し異なるようですが、それは些細な事ですね。

「思いを察してくれたか、三途の川は一緒だ」
重成が死線を越える覚悟を察して自害する青柳に
毎回泣きそうになってしまいます。

首実験で、重成を笑う旗本を一喝する家康にも
その思いは伝わっていたのでしょう。

『沈勇の士』木村重成
重成に限らずですが、牢人衆の5名は
どのような思いを持ち、逝ったのでしょうか。

仲入り

凌鶴さん 生か死か

田辺南鶴先生の作品で
終戦後の実話が基になっているそうです。

人生上手くいかずに、自棄になったら逆にお金が集まり出す。
必要ないから賭場で溶かそうとしても連戦連勝。
いつ好転するかはわからないものですね。

春水さん 前原伊助・姉弟の仇討

麻上洋子さんこと、一龍齋春水さんは
声優界ではその名を知らないというレジェンド。
と同時に、講談師としてのキャリアも29年になる大看板です。

語り口の節々に『声優・麻上洋子』が出てきて
何だか不思議な気分で高座を拝聴してました。
これが言語化できないのが悔しいですね。

伊助の最期まで描かれるネタなのでかなり重厚な物語なのですが
まったくそれを感じさせず、あっと言う間の40分強でした。

いわゆる『槍の前原』が注目される前原伊助の話ですが、
このネタもいい話なので今後広がってほしいですね。

 

おまけ
開演前の写真です。

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