2020年10月31日
「第24回月亭文都独演会」をオンライン視聴。
配信が発表されてから開催を心待ちにしておりました。
本公演は11月6日24:00まで視聴できるそうです(2000円)
詳細はこちらのURLまで
演目
月亭秀都 狸の賽
月亭文都 月宮殿星都
月亭天使 ワレタルヲシル
月亭文都 帯久
~仲入り~
月亭文都 戯作者の恋
秀都さん・狸の賽

開口一番は末弟の秀都さん。
自粛中「いりょう従事者」でしたが、車の中で稽古されていたそうで
腕は自粛前より上がっていると思います。
狸の賽は、昼間に助けてもらった子狸が恩返しに訪ねてくるところから始まります。
馬…ではなくサイコロに化けた狸と組んでイカサマ博打をしに賭場へ。
事前に出目の符丁を共有しておりました。
温くて、転がらず出目を出したまま走るサイコロで疑われてましたが使える事に。
「たーちゃん」と会話しながら空き目を伝え、お金を巻き上げる男。
文句を言われながらも、やれば勝つのをわかっているので続けていましたが、6の目は…
文都さん・月宮殿星都

「げっきゅうでんほしのみやこ」と読むそうです。
このお話は初めて聴きました。歌舞伎「葛籠抜け」のパロディなのだとか。
ウナギを掴もうとした箱屋の徳兵衛さんが浮かんでしまい、天上界にたどり着いたところから話が始まります。再会した雷の五郎蔵は2年前に地上に落ちた時に世話をした間柄。
近々ウナギが天上する事は「天使報」で知っていたようです。
お世話をしたお礼に徳兵衛さんは五郎蔵宅に招待されます。
五郎蔵の奥様は「お鳴り」さん。ちょっと粗忽な方でしょうか(;’∀’)
天上界にもいろいろグルメや、多種多様な銘柄のお酒があるようで…
「スクランブルサンダー=稲光」おいしそうです。
当日は年に一度のお祭りという事で月宮殿へ。
道中、宇宙から集まって来た星たちが夜店を出しております。
中にはM78青雲やウルトラマン、巨人の星も。
時節柄、皆さん衛生(衛星)的に手を洗っていますね。
月宮殿本殿には、雷が下界に降りた際に取って来た「へそ」が納められています。
下界の人間は強制連行されると聞いた徳さんは…
天使さん・ワレタルヲシル

地上で落語をやっている方の天使さん。
「我、足るを知る」婚活のお話です。
世の中にはいろんな価値観の方がいますね(;’∀’)
7年半婚活中のふっちゃんと、刑事でバツ4のたかちゃん。
バーベキュー中に猪が襲ってきた際に盾にされるかわいそうなふっちゃん…
ふっちゃんは結婚式を挙げる事になりました。
ネタ中二回結婚式をするのですが、一回目は「シングルウェディング」
指輪の交換を左手から右手にはめ変える。ちょっと見てみたい…
二回目の結婚式は「政宗(刀)」と。
政宗そのものでケーキ入刀。政宗は刀なので「キレやすい」
最終的には生き物と結婚したいふっちゃんでしたが…
文都さん・帯久

文都師匠は今年還暦・本卦帰り。帯久はネタおろしだったそうです。
講談で言う、政談物という表現がしっくりくるでしょうか。
時代劇「大岡越前」をよく見ていた私はとても好きなお話でした。
前半、泉屋与兵衛が落ちぶれて、帯屋久七が恩を仇で返す場面は苛立たしく感じますが、後半のお白州・西町奉行松平大隅守のお裁きが痛快です。
日ごろの行いは大切。改めて襟を正していこうと感じました。
帯屋久七に放火の罪で訴えられた与兵衛。お白州の場面へと変わります。
双方の意見を聞いた松平大隅守は一理あると納得しますが、与力・同心に十分調査済みでした。
11年前大晦日に帯久が返しに来た100両。
与兵衛はそのままにして、蔵役人の対応に部屋を飛び出しておりました。
「そのままにしておくと用心が悪いと持ち帰り、改めて持参するのを失念していたのではないか?」とカマをかける奉行でしたが、帯久はシラを切るので、手の中指と人差し指を紙で巻いて封印。
「もし故なくして破る時には家は撤収、所払いを申し渡す!」
数日後、音を上げた帯久は持参を失念していたと奉行へ申し立て。
100両を与兵衛に返済しましたが、奉行から更に年1割の利息・10年分100両を言い渡されます。
番頭が50両を用意しており、残金50両は年賦1両の50年払いで決着します。
書類を作成した奉行は、与兵衛に火あぶりの刑を言い渡し。
「こんがり焼いておくんなはれ」と喜んだ帯久でしたが、年賦の50両返済・50年後に執行されることに。
「火あぶりにするなら今すぐ返済する」という帯久を叱り飛ばす奉行・松平大隅守でした。
仲入り
文都さん・戯作者の恋

江戸時代の戯作者、並木五瓶が吾八と名乗っていた青年時代のお話です。
「戯作」とは、娯楽性に重きを置いている小説の事です。
現代では、「大衆小説」「通俗小説」とも呼ばれております。
吾八は噛み合わないやりとりをしながら、家賃をもらってお化け長屋へ移り住むことに。
その晩から、家主の娘「おうめ」が身の回りの世話をしにやってきました。
家主に叱られていたので、おうめの存在を秘密にしていた吾八でしたが、住み代をもらう際口を滑らせてしまいます。
おうめをもらってくれるか?という家主でしたが、吾八が執筆している戯作の物語に沿っておうめは既に他界。
その日の晩におうめと出くわした吾八、戯作を仕上げますが…
まとめ
非常に楽しい番組で、あっという間の2時間30分。
会場もかなり盛り上がっていたようで、画面越しでも様子が伝わってきました。
「戯作者の恋」は文学的で、一冊の小説を読んでいるようでした。
クライマックスまでが吾八の見ていた夢でしょうか。パラレルワールドという可能性も!?
想像は膨らむばかりです。
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