2021年2月6日
国立演芸場で開催された「第502回花形演芸会」を観に行って参りました。
本会自体がコンテストになっています。ルールは下記の通り。
何度見ても難しい…(;’∀’)

演目
三遊亭歌つを 牛ほめ
古今亭志ん吉 紙入れ
瀧川鯉八 長崎
三笑亭夢丸 徳ちゃん
桂小すみ 音曲
桂佐ん吉 景清

志ん吉さん・紙入れ
主人公は「志ん吉」で非常にやりにくいお話との事。
紙入れは古今亭のお家芸ですね。
「間男は亭主の方が先に惚れ」
「町内で知らぬは亭主ばかりなり」
志ん吉は間男というか、得意先の権利を主張されたパワハラで間男により仕立てられた被害者という側面があるので少しかわいそうな部分もあります。
手紙はおかみさんが無事回収していたようでよかったですね(;’∀’)
鯉八さん・長崎
古典のような演題ですが、鯉八さんの新作。
ご主人の墓前で長崎に行った時の思い出を語るお話が中心です。
思い出の中の奥様がめちゃくちゃ強気(;’∀’)
「前の女の話」をうっかり口を滑らせてしまうのは男として共感できますが、何度も話していてたそりゃ怒りますわな…。
長崎に罪はありません(笑)
怒りがエスカレートして咆哮を上げる奥さんに大爆笑しました。
オチも秀逸だったなあ。
夢丸さん・徳ちゃん
国立演芸場の夜が好きという夢丸さん。
その理由は着物で移動しているからなのだとか。
「不要不急」の鋭い目線への対策に始めた事が面白すぎました。
徳ちゃんは、吉原をフラフラしていたうだつの上がらない落語家が、いかがわしい店に誘われ…というお話。
真偽は不明ですが、実話が基になっているという説もあるようです。
夢丸さんの睨み顔、前回の「睨み返し」でもそうでしたが鬼気迫るものがありまして(;’∀’)
おかげで夜も眠れませんでした(笑)
某演目のオチもいくつか出てきたので、落語好きならたまらないと思います。
小すみさん・音曲
小すみさんは2回目かな?
下座の三味線担当から音曲へ転身された経歴を持っています。
「櫓太鼓」という浄瑠璃から移植されたという三味線が素晴らしかった!
痛快なメロディは今でも耳に残ってます。
これだけでも木戸銭の価値があるなあと感じました。
佐ん吉さん・景清
佐ん吉さんの高座は3回目かな?
いずれも人情噺で、すっかりいい人のイメージが出来上がりました。
景清は、失明した目貫師(彫金職人)の定次郎が視力を回復するまでの物語。
定次郎の腕を信じ、時にはおだやかに・時には叱る甚兵衛さんの優しさが心地よかったです。
今回は「はめもの」入り!
雨音が強くなっていく様子。
雷の音が洗練されていて、清水の場面にいるかのような錯覚を覚えます。
満願で定次郎目を開けようとした場面。
観音様に悪態をつく場面など、くすぐりも多くあっという間の時間でした。
まとめ
これで1500円は安すぎますね!
小すみさんの三味線、とても印象に残りました。
独演会があったら行ってみようかな。
佐ん吉さんの景清は、こんな時代だからこそ生き急ぐのではなく、穏やかに生きていきたいなあと感じる一席でした。
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