第6回上方落語若手噺家グランプリ2020決勝戦2/19~上方落語の熱い一日

2021年2月19日
「第6回上方落語若手噺家グランプリ2020決勝戦」をオンライン視聴。
コンテストの配信は史上初で、視聴権はぴあ配信史上過去最高の売れ行きだったようです。

同時並行で、応援配信(チャット部屋)が桂紋四郎さんのyoutubeチャンネルで開催されました。

大会概要

2015年、アート引越センター名誉会長寺田千代乃さんから、上方落語の若手育成基金ということで500万円が寄付されました。

そのお金を使い10年間、毎年1回コンテストを開催することになったそうです。
今回の対象は2002年入門から2016年入門まで。

予選4回の上位2名+全体の中から次点枠1名の9名が参加しました。
審査は在阪のプロデューサーが担当してます。

持ち時間は一人11分から13分。
短くても長くても60点減点。「短くても」というのがシビアですね。

結果とまとめ

優勝は桂三四郎さん。
準優勝は桂三実さん。

トップのべ瓶さんからめちゃくちゃ面白く、どうなるのだと感じていました。
が、いい意味で期待を裏切られ、出番が深くなると会場から地鳴りのような笑い声が聞こえました。

次回は予選から配信して頂けると嬉しいですね!
「過程」を加えると更に盛り上がるのではないかと思います。

演目

笑福亭べ瓶 いらち俥
桂文五郎  商売根問
桂華紋   茶の湯
笑福亭笑利 鯉つかみ
露の紫   厩火事
~仲入り~
桂九ノ一  六文銭
林家染八  ちしゃ医者
桂三四郎  扇の的
桂三実   みんな京阪

べ瓶さん・いらち俥

一人目の俥屋(病人)へのツッコミが冴えてましたね。
胸を押さえて、心配したと思いきやバッタを捕まえた…(;’∀’)
梅田の駅まで急いでも4日かかるのか(笑)

二人目は東京で鍛えた威勢のいい俥屋。
掛け声「するってーと」に爆笑。

そして、電車相手に勢いをつける佳境。
乗客とのスローモーションも面白かったです。

「わあ、ああ、ああ、ああ、」
「するっ、てえ、とお、おう」
(゚∀゚)

文五郎さん・商売根問

文五郎さん誰かに似てると思っていたのですが、ナイツの塙さんですね!
演芸家であり園芸家です。

こぼれ梅を食べたい雀、女の話し合いは…
時事ネタ入れてきました。

「ほっほー、ほっほー」
めい一杯手を広げてハトを表現。
ハトは喋らないようですが…結局喋ってました。

スズメの明るい歌。
「マージャンで、いっかーいーもー上がれない」(笑)

華紋さん・茶の湯

風流じゃなー。

粉が沢山こぼれましたが、拾って入れる。
湯気の勢いが激しそうです。

器の回し方が独特で笑い転げました。
あれが裏千家かー( ゚Д゚)
着物びちょびちょになりそうだ(笑)

店子の三人に気を良くしたご隠居が作った「茶の湯の館」
掛軸のように根性で耐える御来客でした。

笑利さん・鯉つかみ

パペットの鯉が金色に。
人面魚とお侍の戦い、めちゃくちゃ会場湧いてたなあ。
今回も鯉の体が暴れ回ってました。

入れ歯が入っていない宿屋の主人の意味不明な話、
毎回笑ってしまうんですよね。

物忘れが激しい主人は言った側から…
そして、鯉の魔物はパッとついてすぐ食べる。なるほど!(;’∀’)

紫さん・厩火事

かかってこんかいテンツクツン
やんのんかいピーヒャララ
すごい夫婦喧嘩(;’∀’)

茶碗を割った際に主人が反応しそうな妄想が、
あっちいったりこっちいったり(笑)

そして、家に帰ったおかみさんの挙動が不審すぎました。
唐土の馬か、麹町の猿か。
主人はどちらだったでしょうか。

仲入り
九ノ一さん・六文銭

キャリア4年、破竹の勢いで決勝戦出場!
近い将来、何かしらの賞を取るであろう逸材でしょう。

六文銭はいわゆる「真田小僧」
とらちゃんのずる賢さがめちゃくちゃ上手かったです。

「ひーふーみーと、ひーふーみー」(笑)
都合43銭かっさらわれる父親でした。

染八さん・ちしゃ医者

話の途中に説明を入れる事によって、落語に奥深さがでる!?

高下駄と草履を履いて急患に駆けつけてきた村人。
その状態で駕籠を担いだらぐらぐらしますね(笑)

クライマックスのふっとびはお見事でした。

三四郎さん・扇の的

いやー、お見事です。
張扇と小拍子を軽快に叩く姿は、南龍さんよろしく、講談師のようでした。

与一が波打ち際を乗り出だす!ざっぱーん!とーえー!
何を言ってるのかわからない!?言い立てですが、
それを押し付けるのが伝統芸能の強み(゚∀゚)

「うわーまた始まったー」
あっぱれって言われるか、腹を掻っ捌くか。
的を射たくないので、辞退したい家来の心の声(笑)

那須与一が的を射抜いた「屋島の戦い」は、当日2月19日に行われたそうです。

三実さん・みんな京阪

準優勝の三実さん。
言葉のチョイスが秀逸でした。

終盤にかけて客席からうねりが起こっているように盛り上がってたなあ。
関西の客は時空歪むくらい訛りにうるさいと…(;’∀’)

関西弁と同じイントネーションの標準語
標準語と同じイントネーションの関西弁
探せばあるものですね~。

おまけ
三四郎さんが弓を射る時、一緒に弓を射るポーズをする南龍さん。
転じて「テレワークのポーズ」になりました。

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