2021年9月28日
天満天神繫昌亭にて開催された『上方落語若手噺家グランプリ2021決勝戦』をオンライン視聴。結果的にですが、今年は年2回決勝戦が開催されることとなりました。
大会概要
2015年、アート引越センター名誉会長寺田千代乃さんから、上方落語の若手育成基金ということで500万円が寄付されました。
そのお金を使い10年間、毎年1回コンテストを開催することになったそうです。
対象はキャリア4年目から18年目まで。
枠の関係で全員出場しているわけではないようです。
予選4回の上位2名+全体の中から次点枠1名の9名が参加。
審査は在阪のプロデューサーが担当+上方落語協会から1名加わりました(今回は桂米左さん)
持ち時間は一人11分から13分。
短くても長くても60点減点。「短くても」というのがシビアですね。
結果とまとめ
優勝は桂小鯛さん・準優勝は桂二葉さんでした。
お二方ともかなり会場を沸かせていましたので、納得の結果です。
特に小鯛さんは、落語ファン夫婦の掛け合いがあるある?すぎて笑い転げました。
実際にこんな家庭があったら毎日飽きないでしょうね。
結果発表直前、緊張していた会場をほぐす、仁智会長・司会の竹林師匠の寸劇も面白かったです。
「いい加減に心斎橋」「まずは9位から発表いたします!」(笑)
演目
桂九ノ一 へっつい盗人
月亭希遊 巻き舌職人
笑福亭智丸 寝床
笑福亭喬介 寄合酒
月亭遊真 おごろもち盗人
~仲入り~
桂二葉 近日息子
桂そうば 必殺仕分人
桂華紋 鰻屋
桂小鯛 落語夫婦
九ノ一さん・へっつい盗人
めちゃくちゃ気合入ってましたね!
本題に入る際、小拍子の叩き方がそれを物語っていました。
九ノ一さんの勢いを感じるイキのよい高座です。
希遊さん・巻き舌職人
巻き舌を作る職人!?
夫婦仲いいな(笑)
熱いものを食べた際、はがれた上あごをこねて舌を作ります。
殺菌はポリデント(;’∀’)
どうやら、ドン・キホーテなどで販売されているそうです。
智丸さん・寝床
家主が演る浄瑠璃のために、一人ずつ人身御供しなければならない。
出ないと家を追い出される。
地獄ですね…
喬介さん・寄合酒
持ち時間の5分を消費する、すりこぎの件が面白すぎました。
喬介さんの『天丼』は外れがないですね~。
「わっさびおろしやないかい!」
遊真さん・おごろもち盗人
強気になったり弱気になったり、盗人が忙しい(笑)
合わない帳面を、警察に突き出した報酬で埋めようとする商売上手なご主人です。
仲入り
二葉さん・近日息子
「今日の持ち時間では足りないくらい言ってやるわ」
自分の間違いを認めない、『ピタパおじさん』の…さんに捧げる?近日息子。
気持ちが入っていてよかったです。
ご近所さんの会話が面白すぎました。
自分に非があっても謝らない、人いますよねえ…(;’∀’)
そうばさん・必殺仕分人
ちょっとめんどくさい上司がいろいろな仕分けをしていきます。
いかにも中間管理職といった印象です。
招待した家には家族が不在でしたが、悲しい結末が…
涙なしには見られないお話でした。
華紋さん・鰻屋
うなぎを育たさせたら日本一だが、漬物もつけられない鰻屋の店主。
世界初!?の完全養殖を成功させているのであれば、それだけで食べていけそうです。
開店当初からいる、向こう傷のあるうなぎ『主水之介』君がいつにもまして暴れてました。
主水之介君はこれからも強く生きてほしい(笑)
小鯛さん・落語夫婦
8本落語が続いて、トリに落語ファンの話。
会場めちゃくちゃ湧いてましたねえ。
落語ファンの家庭がこんな感じだったらいいな。
という妄想を見事に具現化した高座。
落語会としても、グランプリとしても、物語が完成した瞬間でした。
本人より『紹介した方がはまってしまう』
これは世間でもあるあるなのかもしれないですね。
「お前みたいな落語ファンが、若手の生活を支えているんやで!」
名言いただきました!
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