2021年4月8日
此花千鳥亭で開催された「連続講談千鳥亭」1日目をオンライン視聴。
その名の通り、連続物の講談を数日にわたって読む公演です。
「連続物には、講談のエッセンスがたくさん入っている」
こちらは神田愛山先生の言葉。
仰る通り、講談の神髄は連続物にあるのでしょう。
今回のご出演は、旭堂小南陵さん・旭堂南龍さん・旭堂南鈴さん。
新しい読み物を聴けるのでとてもわくわくしながら視聴しました。
演目
旭堂小南陵 壷坂霊験記①
旭堂南鈴 寛永三馬術・愛宕山梅花折り取り
旭堂南龍 怪猫奇譚・播州猫騒動①
小南陵さん・壷坂霊験記①

宝井琴桜先生より教えて頂いたという壷坂霊験記。
琴桜先生は速記から起こしたのですが、それは二代目旭堂南陵の速記本だったとか。
実際には15席あるそうです。
主な登場人物
新六(後の沢市) 源兵衛(新六の叔父)
お里 大阪屋万兵衛(おさとの父)
中川
徳川11代将軍家斉の時代。
大和国に暮らす新六は、叔父の源兵衛と百姓仕事をしながら生活をしています。
新六18歳の年。8月初頭から雨が降り続き、檜隈川が氾濫。
たちまち町は濁流に飲まれてしまいました。
新六は流れてくる藁屋根を発見。小さな女の子が乗っていました。
源兵衛の静止を振り切り、泳いで藁屋根へ。見事救出。
女の子は、本町の穀物問屋・大阪屋の娘お里。
両親と離れてしまい生死不明でしたが、お寺の木にしがみついて生存してました。
後日、大阪屋から流れてしまった畑とは別に一反のお礼をもらった新六。
畑仕事に精を出してましたが、洪水の中泳いだことにより新六は盲目なってしまいました。
一方おさと。
祭礼の折に見初められた武家から縁談を持ち掛けられました。
しかし、おさとは新六の側にいたいと断りました。
おさとは新六と結婚しましたが…
南鈴さん・愛宕山梅花折り取り

いわゆる「誉れの梅花」「出世の春駒」
三代将軍家光が、父の家忠の命日に増上寺へ参詣した帰りの出来事なのだとか。
講談では186段となってますが、実際は86段です。
曲垣平九郎が名をはせる物語で、東京でも比較的よく聴ける演目です。
南鈴さんの馬は躍動感がありました!
「人は死して名を残し、虎は死んで皮を残し、講釈師は死んで扇を残し?、馬は死んで太鼓の革となる!?」
曲垣と馬の会話も面白かったです。
将軍家光の指図を誤解する様子もよかったなー。
南龍さん・播州猫騒動①

「飲む・打つ・買う」いつの時代も破綻する人間はこれなんですね…(;’∀’)
目力が強い南龍さんの博打打ちは、迫力がります。
播州加古川の宿・紺屋に住む、油絞り職人の源五郎。
腕は間違いないのですが、博打がやめられず借財が重なってしまい、手間賃の前借りをします。
このお金は貯めておこうとしましたが、悪友に誘われ賭場へ。
が、連敗してしまい、すってんてんになりました。
その夜、飼い猫の「たま」に愚痴をこぼした源五郎。
夜更けにそのたまが、枕元に出てきました。
「講談では話せる(笑)」たまは、源五郎への恩返しとして賭場で大儲けさせると豪語。
家財を引き払い、2両をこしらえて賭場へ。
たまのおかげでことごとく当たり、2両元手がなんと100両になりました。
その後も、たまがいる限りどこの賭場でも連戦連勝の源五郎。
ある賭場で130両勝った源五郎は帰路に。
しかし、賭場を取り仕切っていたならず者の兄弟に、追いかけられる事になります…
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