第八回 連続講談千鳥亭2日目6/3~『槍の前原』

2021年6月3日
此花千鳥亭で開催された『第八回連続講談千鳥亭 2日目』をオンライン視聴。

今回は『赤穂義士伝』がテーマ。
15日間すべて観る予定ですが、果たして時間はやりくりできるでしょうか(;’∀’)

写真は皇居内にある松の廊下跡です。

演目

旭堂小南陵 大石内蔵助(二)
旭堂南舟  矢頭右衛門七(二)
旭堂南龍  前原伊助(二)『槍の前原』

まとめ

連続読み公演を始めるきっかけのお話。
神田松鯉先生の一言がきっかけだったんですね。

「講釈の基礎は連続読み」
「前後を知って話をするのと、知らずにやるのとでは理解度が違う」
「みんなが面白くないと思う場面(ダレ場)を、どのようにして面白くするか」

明治期の連続講談は、どのような雰囲気だったのでしょうか。

小南陵さん・大石内蔵助(二)

主人公、大石内蔵助(当時・池田久馬)が登場。
一行が有馬温泉から岡山に着いてから、久馬の回想録になります。

自慢をされたと思った名刀をあっさりもらい面食らった池田玄蕃。
大石頼母の術中に嵌まりましたね(;’∀’)

池田家と大石家では格が違うが、どうにかして久馬を養子に迎えたい頼母。
『三郎秋廣(さぶろうあきひろ)』の名刀を池田玄蕃へ贈り、まずは岡山に同行し、恩を売って岡山へ同行。
久馬に直に会い、見極め、養子に欲しいと言ったらどうか?と企てる。

名刀をもらい上機嫌の玄蕃は、岡山に同行してもらい、おもてなしをしたいという申し出。
待ってました!と久馬の思惑通りに事は進み、舞台は岡山へ。

池田久馬は、十二歳の若さで当家の相談役になり、500石の禄を拝領しているが、それは一年前の出来事が影響していた。

一年前。
池田家の主君(内蔵頭)は学問好きで、四六時中書物を読んでいる。
運動をしないので段々体の調子が悪くなってきた。

家臣が薬を勧めるが、「薬は自然に摂理に背く。わしに死が訪れるならそれは命運」と取り合わない。
困り果てる重役一同。そこへ久馬が入ってきて、自分が主君にご意見を申し上げるという。

「命を賭ける覚悟でご意見申し上げれても、お手打ちにならぬかもしれない」
久馬は主君に薬を飲ませる事になる…

南舟さん・矢頭右衛門七(二)

元禄14年3月14日。浅野内匠頭は松の廊下での刃傷の末、即日切腹。
浅野家は改易になった。

大石内蔵助は家臣1200人をふるいにかけ、53人の連判状を作成。
吉良家への討ち入りに備え、矢頭親子は、大阪・堂島の紙屋の借家を借り受ける。

矢頭親子は、侍であったため働いたことがない。
たくわえを切り詰めたが、それも尽き欠ける。更に長助の具合が悪くなってきた。
右衛門七は先祖代々の『腹巻き』を担保に二両を借りる。

しかし、看病の甲斐もなく長助は他界。
右衛門七はこのあとどうなっていくのか!?

南龍さん・前原伊助(二)

水汲み中間として浅野家に住み込みで働いている伊助の三年後。
『槍の前原』一席でも演じられる、伊助が士分に出世するきっかけになったお話です。

浅野家家来200石の高木良助が、青山・松平左京太夫の元へお使いに行くことになった。
馬方はいるが槍持ちとかっぱざる担ぎがいない。
伊助は槍持ち、中間頭の長兵衛がかっぱざる担ぎで臨時雇いされ、共として青山へ向かう事に。

高木良助は馬術の鍛錬がなく、馬を上手に扱う事ができない。
呆れた伊助と長兵衛は途中で抜け出し、居酒屋へ行ってしまった。

高木が、青山・久保の辻番に差し掛かったところ、水たまりの上に載せてあった四部板を馬が踏んでしまい泥水が跳ね、立派な身なりの武士の袴と胸に掛かってしまった。

すぐに謝罪すれば事なきを得たかもしれないが、泥水が跳ねたことに気が付かつかない。
立ち去ろうとした高木は、侍と問答の末斬り捨てられた。

馬方が屋敷に戻ろうとするところに、腹ごなしをした長兵衛と伊助が出てきた。
伊助は高木が無礼打ちされた事を知ると、槍を持ち仇討ちをしに辻番へ向かう。

辻番に着いた伊助は、六道の辻で稽古道場を構えているという『三好六郎衛門』と対峙。
伊助は見事に三好六郎衛門の胸板を貫き、高木の仇討をする事に成功しました。
しかし、門人二人が主人の仇と刀を抜き払う。
絶体絶命の伊助の元に浅野の家臣、吉田忠左衛門が仲裁にきた。

役人の御検視は『喧嘩両成敗』という決裁で、遺体はそれぞれに返還され落着。
また、中間の身分でにわか主人の仇をとった伊助は浅野内匠頭より三十石を拝領。
士分に取り立てられた。

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