2021年6月14日
此花千鳥亭で開催された『第八回連続講談千鳥亭 13日目』をオンライン視聴。
今回は『赤穂義士伝』がテーマ。
↑の写真は、赤坂氷川神社内・浅野土佐守邸跡です。
演目
旭堂南舟 寺井玄渓(一)
旭堂南龍 潮田又之丞(六)
旭堂小南陵 大石内蔵助(十三・大団円)
南舟さん・寺井玄渓(一)
寺井玄渓(てらいげんけい)は、医師です。
元は、父と本多出雲守正利へ仕えていましたが、改易後・町医者を経て浅野家に仕官。
浅野内匠頭の刃傷事件・改易後は、大石内蔵助と行動を共にしました。
玄渓の若者時代から始まります。
父親の寺井玄庵の死後、玄渓は放浪し残った遺産を食いつぶしてしまった。
ある日、従兄弟の都築長三郎がやってきた。長三郎は勘当されたと言う。
共に大酒飲みで気が合ったため、二人は一緒に暮らすことになる。
長三郎が魚屋に行ったところ、主人が四、五日前から寝込んでいるという。
観たところ、熱がかなり上がっている。
玄渓に薬を作ってもらうと言い、前金で1両を入手した長三郎は酒・肴を持って帰る。
一方、玄渓は魚屋に赴き診断。
適当に薬を調合し主人に飲ませたが、もちろん熱は下がらない。
焦った玄渓は父親の書籍で一生懸命勉強し、薬を調合。
見事、魚屋の主人の体調を全快させることに成功した。
これにより、玄渓の評判はうなぎ登りに。
これまでの行動を反省した玄渓。
これから、長崎へ医学の修業をするため旅に出る事になる。
南龍さん・潮田又之丞(六)
潮田又之丞は最終日にしか出ないそうです(笑)
播州赤穂・荒川村の堂守になった、潮田主水改め巌水(がんすい)
三年後、おかゆを炊いているところに三名の虚無僧が入って来た。
寒い中歩いており暖を取りたいと言う。
巌水は三名を招き入れたが、虚無僧は澤井常右衛門始め五名の位牌を見て顔色が変わる。
位牌を持っている経緯。澤井と沼澤のいさかい、澤井の実子・常平こと澤井常之丞の死と主水の仇討ち。さらに中川蟠龍軒と、沼澤の子供・次郎吉の切腹を話す。
「お主が仇であったか」
話を聞いていたこの三名は、元は沼澤の門下生であった。
巌水は果し合いを受ける事になる。
話しは変わり…
当時、赤穂には浅野采女正長友が国替えをしてきたばかり。
長友は堀部弥兵衛と、朝早くから野駆けをしていた。
二人とも名馬に乗り、どちらも先に出たりしている。
負けん気が強い長友は手綱を強く引いたところ、轡が口をえぐってしまった。
すると、馬は暴れ馬と化し勢いよく走っていく。
慌てた長友は何とか轡を直そうとするが、上手く操る事ができない。
その先、目を患っている老人目掛けて馬が駆けて行った。
このまま踏み殺してしまうのか…。
小南陵さん・大石内蔵助(十三)
十三日続いた内蔵助のお話も今回が最終回。
本伝もいつか聴いてみたいですね。
瑤泉院との謁見を終え、屋敷から出た内蔵助と寺坂吉右衛門。
しかし、帰路で吉良家家臣・清水一学(しみずいちがく)と出会う。
清水は内蔵助に「仇討ちするなら助太刀する」と言うが、大坂で商人になると断り続けていたら殴りかかって来た。それでも、あくまで仇討のつもりはないと繰り返す内蔵助に、清水は唾を吐きかけ去って行った。
その夜。
戸田局が寝ている部屋に何者かが入って来た。
覆面を被った者は、内蔵助が持ってきた袱紗包みを持って行こうとする。
まだ瑤泉院に見せていないものが奪われるのは役目が立たない。
「曲者め!」戸田局が叫ぶと気づき、戦闘に。
歳は取っているが、腕に覚えがある戸田局がだんだんと賊を追いつめ、押さえつける。
賊は戸田局の側仕え『うめ』で、上杉の間者であった。
この騒ぎの中、瑤泉院が起きてきた。
戸田局は袱紗包みを瑤泉院と一緒に紐解く。中には連判状の巻物、そして九つの鐘を合図に吉良家に討ち入りする事を告げる、瑤泉院への手紙。
これを見た戸田局は泉岳寺へ向かう。
明け方、隊列を組んで入って来た義士を涙ながらに迎えるのであった。
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