2020年8月22日
浅草演芸ホール(昼の部)を観に行って参りました。
定席寄席は約5か月ぶり、浅草は昨年12月以来です。
今回は主任の竹丸師匠の後に大喜利「なぞかけ」があります。
二ツ目格の方が4名、他若手真打の方も多数出演するという番組でした。
芸協の若手は勢いありますね!
演目
桂南之助 子ほめ
桂笹丸 味噌豆
きょうこ 手品
春風亭昇々 お面接
立川吉幸 大安売り
藤本芝裕 三味線漫談
神田鯉栄 任侠流山動物園
桂紋四郎 昭和任侠伝
仲入り
ねづっち 漫談
雷門小助六 初天神
桂枝太郎 ある爺さんに花束を
山田邦子 漫談(コウメ太夫)
桂歌春 鍋草履
仲入り
春風亭昇也 壺算+かっぽれ
三遊亭遊雀 粗忽長屋
桂小南 まんじゅう怖い
母心 漫才
桂竹丸 漫談(パタヤの悪夢)
大喜利:謎かけ

笹丸さん・味噌豆
主任、竹丸さんのお弟子さんです。
プログラムには竹紋さんと記載されていたけど、急遽変更になったのかな?
追記:竹紋さんは熱中症によりドクターストップ、今月いっぱいお休みなのだそうです。
情報提供:山根弘美さん ありがとうございます!
前座名が「竹わ」という名前で、昇進時に改名する際もひと悶着あったとか。
後輩の「どんぐり」さんが熱中症で倒れた際のエピソードが面白かったです。
昇々さん・お面接
昇々さんは来年5月真打昇進が決まっております。
「成金」のメンバーで、ぶっ飛んでる高座に定評があります。
今回のネタは、いい小学校へ入れさせたい母親とその子供のお話です。
独特な感性を持つ子供を指導する母親の苦労が伝わってきました(;’∀’)
面接の本番では、隣に着けると思っていた母親が退席する事になり…
吉幸さん・大安売り
吉幸さんの高座を観るのは昨年の真打昇進披露興行以来。
入門22年で真打昇進を果たした苦労人です(詳細は吉幸さんのwikipedia参照)
相撲の行司さんのファンで、「東京場所の3日目」幕下の取り組みで、
行司さんへの大声援を送っているそうですw
ネタは相撲にちなみ、大安売り。
江戸落語だと上方の本場所へ行ってくるという設定に変わるんですね。
鯉栄さん・任侠流山動物園
前回浅草へ観に来た時の主任が鯉栄さんでした。
女流講談師として初の単独主任、初日。
高座へ上がった際の拍手の量と万感の表情をしたあの場面は今でも忘れられないです。
今回は出囃子ではなく、時太鼓で高座へ。
本来講談師は出囃子ではなく時太鼓で高座へ上がるそうです。
鯉栄さん曰く今日は「上品なお客さん」だそうで、
以前競馬中継を聞きながら高座を観ている方のエピソードを話してくださいました。
任侠流山動物園は三遊亭白鳥さんの創作落語を講談に移植した作品です。
常連とそうでない方の温度差が大きかったようで…(;’∀’)
落語が原作なので、笑いどころも多いですが啖呵を切る場面もあり鯉栄さんに合ってますね!
紋四郎さん・昭和任侠伝
「上方枠」として初の浅草演芸ホール出演となった紋四郎さん。
どんなネタにするかなと考えておりましたが、前方の鯉栄さんと任侠リレーとなりました。
浅草と大阪新世界は、雰囲気が似てる…なるほど。
確かに浅草は東映や松竹など、往年の映画が放映されてそうな雰囲気ありますよね(;’∀’)
年配の方のうなずきが多くめちゃくちゃ受けておりました!
仲入り
ねづっちさん
「ととのいました」でおなじみのねづっちさんです。
謎かけの意味を説明し、誰も置いていかないやさしい漫談でした。
今日もおかみさんへの愚痴が(;’∀’)
毎回終盤にお題を募集し、即興でなぞかけをされるのですが
自分がお題を出したときに事件が!
「ととのいますよ」といういい間違いをされておりましたw
その後「言い間違い」をお題で拾ったお客さん上手かったなあ。
小助六さん・初天神
松戸市在住の小助六さん。
近所の流山での学校寄席に呼ばれるそうですが、近くに動物園はないそうですw
「ぶったね!親父にもぶたれたことないのに!」
まさかこのフレーズを古典落語で聴くことになるとは(;’∀’)
これが解る方は、アニメファンですね。
枝太郎さん・ある爺さんに花束を
枝太郎さんの後ろが山田邦子さんなので、非常にやりづらいそうです。
初天神を演る予定だったのですが、小助六さんが演ったので手詰まりとなり、
古典と新作どちらがいいかアンケートを取り新作となりました。
元気なお年寄りが沢山いる老人ホーム。
立ち退き依頼が来たので、キャバクラ経営に乗り出します。
が、勤めているのは老人ホームにいたおばあさん方。
メニューにお茶しかなく、入れ歯が入っていたり、
何度も同じことを聞く老人キャバ嬢がいたりではちゃめちゃです。
代金支払いを拒否した客に店長は…
「俺は初天神がやりたかったんだー!」と小助六さんへの恨み節も聞こえましたw
山田邦子さん
ご存じ山田邦子さん。
「好きなタレント調査」女性部門で8年連続1位となり、
「唯一天下を取った女性ピン芸人」と言われております。
この舞台に立つのに40年かかりましたとの事。
今回はコウメ太夫さんの恰好をしながら、「チッキショー」に自分のネタを挟みながらぶっこんで来るというスタイルでした。
もちろん往年のネタ「アグネス・チャン」の物まね・「天城越え」・「バスガイド」などご自身のネタをフル動員するというサービス精神にあふれる高座でした。
また観てみたいなあ。
歌春さん・鍋草履
前方の山田邦子さんの流れを引き継ぎ、チャンチャカチャンチャンと高座に上がって来た歌春さん。
「大変失礼いたしました」とお詫びする場面も(´▽`)
この一連の流れも寄席の魅力ですね。
仲入り
昇也さん・壺算
春風亭昇太一門で、昇々さんの弟弟子。
同じく成金メンバーの昇也さん。メンバーの中ではツッコミに回る事が多いでしょうか。
元お笑い芸人で、謎かけでの回転の速さはねづっちさんに肩を並べる程です。
昇也さんの十八番である壺算。
「どうも、ありがとうございます」「♬いいの買ったね、いいの買ったねっと」
オネエ風の番頭と、早口でまくし立てお金をごまかそうとするお客。
このやり取りに毎回爆笑してしまいます。
遊雀さん・粗忽長屋
遊雀師匠の粗忽長屋は間と表情で笑わせてくるタイプです。
小三治師匠の粗忽長屋に似てますでしょうか。
少ないセリフと表情で確実に爆笑をかっさらっていくのは流石ですね!
「壺算じゃないから、あなたに引っ張られちゃいけない」
会場大爆笑しておりました。
小南さん・まんじゅう怖い
独特な話し方をされるので、印象が大きいです。
「間違っても許す新宿、許さない池袋、間違っている事すらわからない浅草、間違っていたら許すかどうか裁判にかける国立演芸場」
このフレーズいいよなあ。
母心さん・漫才
嶋川武秀さんと、関あつしさんによる漫才コンビです。
ボケである嶋川さんのスーツが輝いておりました。
「銀鮭の皮」で、このスーツに合わせて作ったコートが銀色。
鮭のホイル焼きか!と突っ込まれておりました。
嶋川さんは日本舞踊の名取であり歌舞伎鑑賞が趣味だそうで、
ネタは歌舞伎の現代版を表現したものでした。
「振り込め詐欺」「満員電車」「歌舞伎タクシー」
場内大爆笑!最高の膝替わりでしたね。
竹丸さん・漫談(パタヤの悪夢)
米丸師匠の弟子である竹丸師匠。
高座について、長い…と愚痴をこぼしておりました。
以前一度だけ米丸師匠の高座を拝聴しましたが、確かに長かった(;’∀’)
他にも兄弟子であった歌丸師匠や先代の文治師匠との思い出話も。
貴重なお話を伺うことができました。
大喜利:謎かけ
司会:竹丸
回答者:小南 歌春 遊雀 小助六 昇々 昇也 紋四郎 笹丸 (敬称略)
お題は
「シークレット花火大会」
「野党合併」
「コロナウイルス」 の3本
出演者が全員フェイスガードしている絵がめちゃくちゃシュールでした。
あの場面写真撮りたかったなあ…。
やはりというか、昇也さんの独壇場。
竹丸師匠の「かっぽれ踊ればいいのに」の連打は面白かったですね。
反対に昇々さんはキャラ通りぶっとんでおり、審査員?のねづっちさんにピコピコハンマーで叩かれておりました。
紋四郎さんはトリの回答一発でしっかり存在感を示し、
しっかり仕事を果たしておりました!
まとめ
5時間にわたる長時間公演でしたが、まったく飽きることなく最高の番組でした!
神田伯山さんの著書「絶滅危惧種、講談師を生きる」に「青春芸」という記述があります。
今回の番組を見終えて、「これだ!」と感じました。
名人の高座を観るのも楽しいですが、生で観るなら自分と年代が近い若手の皆さんの勢いを肌で感じるのもいいですね!
若手中心の番組なら、もっと寄席へ観に行くようになるのかなあと妄想する一日でした。
おまけ
浅草演芸ホール初出演となった紋四郎さんの招木。ピカピカですね!
任侠リレーとなった前方の鯉栄さんとのツーショットです(´▽`)
紋四郎さんの大喜利・回答
「新型コロナウイルス」とかけまして、
「僕の今の状況(一番最後の回答)」と解く。
その心は、「かんせんしよ」
お見事でした!

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