文楽11月公演第三部~文楽の聖地へ!

2022年11月19日
大阪・国立文楽劇場へ行ってきました。
『人形浄瑠璃・文楽』は大阪発祥なので、ここが聖地になりますね。

今回は文楽11公演公演第三部を鑑賞
演目は『壺坂観音霊験記』と『勧進帳』です。

演目

壺坂観音霊験記
 沢市内より山の段

勧進帳

まとめ

どちらの演目も講談で聴いており、
演題発表時から本当に楽しみにしていた公演。

見応え抜群で素晴らしかったです!
圧倒されて、終演後しばらく放心状態(;’∀’)

『惻隠の情』がぴったり当てはまる勧進帳。
夫婦の情愛を描いた壺坂観音霊験記。
講談とはまた違った角度で観ることができました。

大阪まで観に行ってよかったなあ。
織太夫さん・藤蔵さん・靖太夫さん・玉助さん、最高です!

壺坂観音霊験記

 西国三十三所第六番の壷阪寺(南法華寺)に伝わる、座頭沢市が参籠して開眼した話が、明治三十六年(1903)五月に三代竹本隅太夫が御霊文楽座に復帰した際に演じられて以来、文楽座でも演じられるようになりました。中世以来の霊験譚に夫婦の情愛を盛り込んだ浄瑠璃により、この物語は広く知られることになりました。

パンフレットより

登場人物

座頭沢市
女房お里
観世音

沢市内より山の段(前半)

 地歌を口ずさむ沢市をお里は上機嫌と思っていましたが、沢市はこの頃胸に巣くっているお里への疑いを口に出してしまいます。これに対してお里は一心に、夫に寄り添って生きてきた胸の内をクドキ(口説き)によって訴えます。沢市は自分の心の卑しさを恥じ、お里に詫びますが、ある決意が芽生えてしまうのです。

パンフレットより

「自分のせいでお里に負担をかけている…」と思うと
どんどん悪い方へと思考が働いてしまう沢市。
非常によくわかる話ですね。

沢市内より山の段(後半)

 ご詠歌(順礼歌)を唱え寺に向かう夫婦ですが、その胸中は別々です。別れ別れになった沢市は悲壮な思いで自らを追い詰め、お里は今まで堪えに堪えてきた思いを爆発させるという夫婦それぞれの最期がみどころです。お里の貞節・夫婦の信仰の篤さに感じ入った観世音菩薩により奇跡が起こります。開眼した後のおかしみのある会話も、嬉しさ余ってのこと。祝福芸の万歳を連れ舞いで舞う姿が朝日に浮かんで幕となります。

パンフレットより

後半の見せ場は、沢市・お里が崖から飛び降りる場面。
人形遣いの清十郎さん蓑二郎さんが、人形を放り投げます。
崖下で受け止める方も、呼吸が合わないとキャッチできないでしょう。
皆様の技術の高さを感じた一幕でした。

開眼した沢市がお里に発した
「コレハシタリ、初めてお目に掛かります」
ほっこりする締めくくりでした。

勧進帳

 源頼朝と不和となり、奥州藤原氏を頼ろうとする源義経一行が安宅の新関で体験した事件は、『義経記』に描かれた後、能『安宅』をはじめ人形浄瑠璃、歌舞伎など様々な芸能で脚色されました。中でも七代目市川団十郎が歌舞伎十八番の一つとして発表した『勧進帳』は、彼の後継者たちにより洗練され、歌舞伎の代表的な演目となっています。

パンフレットより

主な登場人物

源義経
武蔵坊弁慶
伊勢三郎 駿河次郎 片岡八郎 常陸坊海尊
富樫之介正広

太夫・三味線・人形のすべてが圧巻!
This is 文楽ですね。

弁慶織太夫と富樫靖太夫の『山伏問答』
お二方のぶつかり合いは凄まじい破壊力でした。

勧進帳を読み上げる場面では
巻物を観られまいと真正面に立つ弁慶がちょっと面白かったです。

クライマックス、揚げ幕がチャリーンと鳴り
ちょこんと頭を下げて花道を去っていく義経
『飛び六法』で堂々と花道を駆けて行く弁慶を間近で観られました。

弁慶の人形遣いは三名とも出遣いでったのですが、
特に玉助さんの気迫が凄まじかったなあ。

今回は、事前に『花道を使う』とアナウンスされていたので
花道近くの席に座ったのが功を奏しました。

おまけ
許可をいただき、終演後の劇場を撮影しました。
花道を見るといまでも弁慶の飛び六法を思い出します。

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