2020年8月30日
繁昌亭昼席をオンラインにて視聴。
8月24日~8月30日は米朝ウィーク『桂米朝五年祭特別公演』と題し、米朝師匠没後5年公演を行っておりました。30日は千秋楽です。
米朝事務所社長、米團治さんは西梅田「サンケイホールブリーゼ」にて追善興行の裏方・出演のため不在。
御子息である中川真さんが名代としてご挨拶に上がられました。
演目
月亭秀都 鉄砲勇助
月亭天使 兵庫船
桂雀喜 看板の一
桂勢朝 南京玉すだれ
桂九雀 淀の鯉(中川清・作)
仲入り
中川真 ご挨拶
月亭文都 足上がり
桂吉坊 漫談「とっておいた米朝噺し」・踊り「茄子とかぼちゃ」
桂米輔 親子茶屋
秀都さん・鉄砲勇助
秀都さんは米朝師匠の玄孫弟子です。
初めて観た高座が2月末の「テレワーク落語会」でした。
後から後から冗談を話す、お調子者の人は落語の中によくいるようで。
雄のイノシシから子供が産まれる…実際に起こったらどうなるのでしょう(;’∀’)
天使さん・兵庫船
米朝師匠初の玄孫弟子としてニュースにもなった天使さん。
当時のニュース(2010年)が残っておりました。
徳島のくだりは何度聞いても笑ってしまいます(´▽`)
兵庫船の船上、お国自慢からなぞかけをする乗客たち。
喜六の回答が無茶苦茶で面白かったです。
サゲは米朝一門に絡めた粋な回答でした!
雀喜さん・看板の一
雀喜さんは米朝師匠の孫弟子。
名前をなかなか覚えてもらえなかったそうです。
最終的には本名の「長坂さん」と間違われたとか(;’∀’)
ご隠居に貫禄がありました!
「おうっ!」という掛け声が印象的です。
昔取った杵柄。ご隠居を丸め込んでちょぼいちの胴を取らせた若い衆。
つぼざらの側に「一」の目が見えていましたが、これは看板。
中身は「五」で全額回収…はされずに返されました。
これはいい手だと真似をした男でしたが…
勢朝さん・南京玉すだれ
勢朝さんは米朝師匠の直弟子です。
着物のまま、下駄を履いて、自転車で出かける行く米朝師匠を想像すると面白いですね。
名前だけで地元の高校生をビビらせる「桂米朝」凄い(;’∀’)
九雀さん・淀の鯉
米朝師匠の孫弟子である九雀さん。
枝雀師匠には米朝師匠の紹介で入門されたそうです。
米團治さんが作詞作曲された「米朝一門の歌」をツッコミながら披露されておりました。
「淀の鯉」は落語家になる前の米朝師匠が作った落語です。
当時GHQの検閲があったので原稿が残っていたとの事。
現在は、米團治さん、吉坊さん、そして九雀さんが持ちネタにされいるそうです。
「板子一枚下は地獄」
太鼓持ちの一八は女将に頼まれ、船嫌いの板前喜助を船に乗せるために二升の酒を持って行きます。
酒を飲んでいい気分になった喜助に、船遊びの話を提案する一八です。
「播磨屋の旦さんのためなら、唐・天竺までも」という喜助でしたが、船は…と渋ります。
それでもうまく丸め込み船に乗せた一八でしたが、肝心の喜助は船酔いしてしまい…
終盤には、鮒・鯉・ナマズが会話をしており、鯉が襷十字!?する場面も。
仲入り
文都さん・足上がり
米朝師匠の孫弟子にあたる文都さん。
前方の天使さん・秀都さんの師匠でもあります。
文都さんの足上がりは以前聴いたことがありました。
今回はめもの入りの完全な形を聴けてよかったです。
特にお岩さんが出るクライマックスは鬼気迫るものが!
番頭と四谷怪談の芝居見物から帰った丁稚の定吉。
芝居から帰る際に口裏合わせをしましたが、旦那に見破られてしまいました。
正直になった定吉から話を聞き、店の金を着服している事を知った旦那は、番頭の足を上げよう(クビしよう)と決意するのでした。
一方、帰って来た番頭。
芝居の感想を定吉と語り合い、帰った後の話を実演しますが…
吉坊さん・「とっておいた米朝噺し」
吉坊さんは米朝師匠の孫弟子。
孫弟子ですが、修行は米朝師匠のご自宅でされていたそうです。
それには複雑な事情が…(;’∀’)
「日めくりを めくって休む 我が家かな」
16,7歳で入門された吉坊さんですが、修行中米朝師匠のお酒の相手をする事に。
その後味をしめられ、同席する際は毎回アルコールを一緒に飲まされるのでした。
文化勲章を受章された際は宅急便の量が並ではなく、胡蝶蘭と鯛の連続。
米朝師匠は、晩年「(怪我で)壊れた国宝」だったそうです。
米輔さん・親子茶屋
トリは直弟子である米輔さんです。
米朝師匠がよく手掛けていたという親子茶屋。
はめもの入りは初めて聴いたのですが、にぎやかな繁華街が想像できます。
特に終盤の「狐釣り」はとても楽しそうな雰囲気が伝わってきました。
極道息子の若旦那は夜明けまで遊んでおります。
帰ってもお昼まで寝ていたので親旦那が小言。
やがて喧嘩になってしまいます。
この親旦那は堅物かと思いきや…
まとめ
米朝師匠ははめものが好きだったそうで、賑やかな番組となりました。
残念ながらリアルタイムで生の高座を聴くことはできませんでしたが、皆さんから生前のエピソードが聞けるのは嬉しいですね。
没後5年。
まだまだ米朝師匠は生き続けてますね!
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