2022年8月20日
池袋演芸場・夜の部へ行って参りました。
8月11日~20日は、神田陽子先生・紫先生・紅先生が
日替わりで主任を務める怪談興行。
この日は陽子先生が主任で、『立体講談』をネタ出しです。
演目
桂れん児 たらちね
神田桜子 義士外伝・天野屋利兵衛雪江茶入れ
養老瀧之丞 奇術
神田蘭 桂昌院
桂夏丸 富士詣り
D51 コント
三笑亭可龍 宗論
三笑亭夢太朗 お見立て
~仲入り~
春風亭鯉枝 実践自動車教習所
桂小文治 酢豆腐
やなぎ南玉 曲ごま
神田陽子 牡丹燈籠・お札はがし(立体講談)
まとめ
昨年末の『南部坂雪の別れ』以来、2回目の立体講談。
「師匠が作った立体講談を、次の世代につなぐのが役目」
陽子先生はこうおっしゃいました。
これから数十年後、どなたが語りをやるようになるのかが楽しみです。
その前に自分が生きていないかもしれませんが(;’∀’)
桜子さん 天野屋利兵衛雪江茶入れ
雪江茶入れ!ようやく聴くことができました、うれしい。
「家臣の方が切腹するなら、自分が罪を背負えばいい」
義商・天野屋利兵衛たらしめるお話ですね。
浅野内匠頭が利兵衛をかわいがったのがよくわかります。
蘭さん 桂昌院
『玉の輿』の一節にもなっている桂昌院(お玉)
決してルックスがよくなく、しかも八百屋の娘だったお玉が
なぜ五代将軍・綱吉の母になれたのか?
そこにはいくつもの運が重なったことと
三代将軍家光の泥酔があったんですね。
『美人は三日で飽きる』が…
夏丸さん 富士詣り
歌が上手かったです。
さすがの実力!
D51さん コント
80代のおばあちゃんと警察のコント
どこまでが台本かアドリブかわからないですが
話がどんどん脱線して毎回楽しませていただいてます。
可龍さん 宗論
「いーつしみふかーき とーもなるイエスはー しほうのやーまをみーおろーしーてー
かーみなりさーまーを― しーたにきーくー ふーじーはにっぽんいーちのーやまー」
『賛美歌312番』→『富士山』へ急に歌詞がかわってびっくりしました。
前方、夏丸さんが富士詣りをかけたからか!?
若旦那のちょいちょい入る小ボケも面白かったです。
夢太朗さん お見立て
機転が利く喜瀬川花魁と、機転が利かない妓夫の喜助。
想定外のことを言われるとパニックになってしまう。
この気持ちはわかる気がします。
仲入り
鯉枝さん 実践自動車教習所
ドSの教官が面白すぎました。
・車のカギはないから、配線をいじって直結
・黄色は進め、赤は進めたら進め、青は進んでくる車に注意
・ドライブスルーで食事購入後、食べながら片手ハンドルで運転
ほかにもありましたが、ここに書くのは憚られます…
※これらの所業は絶対にまねしないようにしてください(;’∀’)
小文治さん 酢豆腐
『きざな男への復習』
わからない言葉で自慢話をされると苛立つのは当然ですね。
口は禍の元とはこのことかもしれません。
陽子さん お札はがし
語り・新三郎・伴三・お峰/陽子
お露/桜子 お米(お露の侍女)/陽菜
『慕っている幽霊は簡単におちない』
敵対心を持っていない幽霊を撃退するのは、なかなか難しい…
「どうしてもお札をはがせておっしゃるならば!!!
100両を用意してください。」
伴三に足元を見られた(足はないですが…)、お露お米の苦悩が真に迫ってました。
クライマックスは、二人が新三郎の首を絞めて殺害。
「お札を貼って入れないようにされたのが憎いけど、それでもお慕いしている」
これはリアリティがあって怖かったですね。
これまでは、『憑き殺す』の意味がふわっとしてものでしたが
幽霊であっても絞め殺せるものなんですね。
また一つ、勉強になりました。
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