2020年12月18日
池袋演芸場、夜の部へ行って参りました。
都内にある定席四ヶ所のうち、秘密基地的な感がある池袋。
毎年12月中席(11日~20日)は義士伝興行で、陽子先生・紅先生・紫先生が交互で主任。
講談、盛り上がってますね!
時間の都合上、番組途中17:30頃からの入場です。
※標記↑の写真は、当日の主任神田陽子先生・お弟子さんの神田子太郎さんです。
演目
神田蘭 信長と吉乃
山上兄弟 奇術
桂歌若 時そば
昔昔亭桃太郎 大安売り
仲入り
春風亭昇乃進 あくび指南
桂歌春 元犬
ボンボンブラザーズ 曲芸
神田陽子 二度目の清書(赤穂義士銘々伝)
蘭さん・信長と吉乃
副題「だって好きになっちゃったんだもん」
生駒吉乃(いこまきつの)の物語で、蘭さんの創作講談。
吉乃は武家商人生駒家宗(いこまむねいえ)の娘です。
政略結婚により土田弥平次へ嫁いだ吉乃ですが、弥平次は討死。
その後織田信長が現れ、側室となります。
信長は年上の女性が好きだったようですが、幼少の頃母親に疎まれていたことが影響しているのではないかと分析されておりました。
信長が吉乃を手中に収めようとする際の会話
吉乃「信長様、いけません!」
信長「いいじゃないか」
吉乃「あーーれーー!」この手の動き方が面白すぎました(笑)
山上兄弟・奇術
「てじなーにゃ」でお馴染みの山上兄弟。
あの兄弟も20代後半です。時の流れは早い…
お父さんの北見伸さん同様、落語芸術協会に加盟されております。
歌若さん・時そば
池袋に来場する人はいわゆる「ヘビーユーザー」
確かにそうかもしれません…
1両(10万円)は4000文=1文は25円
そば16文は400円でいまの富士そばくらい?
そば屋を大声で追いかける客が面白かったです。
「きこーねーのかー!そばやー!まてー!」
桃太郎さん・大安売り
当日歯医者で四時半ごろ麻酔を打たれた桃太郎さん。
まだとれていなかったそうで…
大安売りは本場所をとった関取が「勝ったり負けたり」するお話です。
三日目、ギブスをしている相手にピンポイントで回し蹴りを決めようとしたところ、かわされて転ぶ。
五日目、「土つかず」で勝ったかと思いきやバスに遅れて不戦敗…
千秋楽は、物言いがつき行司差し違えで負けました
やっぱり今回も本場所で勝つことができませんでした。
御贔屓が日を追うごとに呆れていく様に大爆笑しました。
仲入り
昇乃進さん・あくび指南
落語家は、60歳までが若手(;’∀’)
若手の皆さんは、司会や余興・イベントなどで稼いでいるのだとか。
あくび指南は、その名の通り「あくび」の稽古風景を描いたお話です。
四季の中でも簡単な「夏のあくび」をするのですが、四季より池袋演芸場でするあくびが難しいそうで、口の中でかみ殺さなければならないそうです。
歌春さん・元犬
白い犬は立派な「お父さん」にもなっておりますが…
二十一日裸足参りで人間になったシロ。
全身毛が抜けたのは、「歌丸の祟り」だそうです。
人間になってもなかなか犬の癖が抜けない。
そりゃ、変わってから数時間ですからねえ。
ボンボンブラザーズさん・曲芸
コロナ禍においてどういったやり方をしてくるか楽しみでしたが、繫二郎先生の動きが更にパワーアップしておりました。
御年77歳、めちゃくちゃ元気ですね!
陽子さん・二度目の清書
11月、新型コロナウイルスに罹患された陽子先生。
体温が38.8℃になったので、検査をしたら陽性になったのだとか。
マイコプラズマ肺炎を併発したので入院する事になったのですが、救急車ではなく保健所の車で移動。
気圧が設定されているので、窓の開閉は不可だったそうです。
病室では外部との接触はできないので、看護師さんが買い物などの雑用。
Amazonなどの宅配便の注文は可能だそうです。
「心中良しなに御賢察を」
石束源五兵衛(隠居して露山)は、足軽の寺坂から届いた大石内蔵助からの離縁の文。
そしてこの言伝を聞き、内蔵助の考えを察します。
そうとは知らず、帰って来た妻「お石」と内蔵助の母親は怒り心頭。
「十八で嫁に行き四十で家風合わぬと離縁、それもこぶつきばばあつきで!」
息子の源五兵衛も血気盛んになっておりましたが、露山はなだめておりました。
「大石殿にはお考えがある。なぜ離縁したのか?
それが分かるまでは様子を見ようではないか」
元禄十五年末、足軽の寺坂が討入を成功させた事を石束家に報告
家族は涙するのでした。
まとめ
終演後、陽子先生と少しお話ができました。
コロナで「死ぬかと思った」と笑いながらお話されてましたが、かなり心配していたので元気になって本当に良かったです。
高座中、お弟子さんで前座の子太郎さんが物音を立てていたので、
直々に注意されている場面も面白かったなあ(笑)
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