2022年10月15日
千葉県印旛郡酒々井町へ行ってきました。
今回は、千葉氏最後の居城・本佐倉城跡を歩きます。
本佐倉城跡

本佐倉城(もとさくらじょう)は、下総守護千葉氏が文明年間(1469~1486)に築城し天正18年(1590)まで約100年間にわたり、関東有数の大名千葉氏の居城でした。城は、印旛浦に面する標高約36mの台地上に築かれ、東西約700m、南北約800m、面積約35㎡におよぶ城域の中に10の郭をもつ巨大城郭です。内郭群(Ⅰ~Ⅶ郭)と外郭群(Ⅷ~Ⅹ郭)によって構成されています。築城当時は内郭群の一部分程度の規模であったと考えられ、現在に残る城跡は戦国時代末の最も発達した姿です。
城の構造は、千葉県北部に非rpがる北総台地の特徴である、台地とその奥深くまで谷津が入る複雑に入り組んだ地形を利用し、台地を削り谷を埋め、空堀や土塁を巧みに配し郭を作った「土の城」です。
本佐倉城は現在に残る貴重な文化財として平成10年9月11日に国の史跡に指定されました。
現地案内板より
『続・日本の名城100』にも登録されています(No.121)
MAP(内郭群)

今回は、東光寺ビョウ~東山~城山~奥の山~南側へ出て
外郭を西方面に周ります。
現地の写真
東光寺ビョウ(Ⅵ郭)





印旛沼に向かって階段状に開けた郭です。「ビョウ」には、「突出した」という意味があり、東光寺ビョウを挟んで左右に北へ向かって突き出した櫓台部分のことを意味しているともとらえられます。遺構、遺物も少なく、性格は不明な部分の多い郭ですが、倉跡ーセッテイ山間の空堀に続く出入口の門前施設と考えられる木戸跡と柵列跡が見つかってます。
配布資料より
東山虎口






東山・東山馬場(Ⅴ郭)





東山は東西に細長く、この郭自体が背後の城山(Ⅰ郭)を守る土塁としての機能があったと考えられます。郭の西端には2棟の門と蛇行した通路、枡形の空間から構成された東山虎口がつくられ、城の北側の玄関口となっています。東山馬場は、現在は城の奥に向かって広く開口していますが、発掘調査によって土塁跡が見つかりました。城の内外を遮断し見通せなくさせるもので、この地点には当時、虎口施設があり城の東側の玄関口となっていた可能性があります。
配布資料より
2枚目はビューポイントで、天気がいい日は筑波山が見えるそうです。
当日は曇っていたため見ることができませんでした。
3枚目は、この後紹介するⅣ郭から見た東山です。
国指定本佐倉城案内所



ガイドさんがとても歴史に詳しい方で、30分ほど講義を拝聴。
概ね話は理解できたので、自分の成長も感じることができました。
勉強になるお話の数々でしたが
徳川家康の父・松平広忠の歯の墓
それが縁で幕府より50石を賜った清光寺のお話が特に興味深かったです。
資料も沢山いただき感謝!
Ⅳ郭



郭の名前はついていませんが、虎口施設と、その先に城山(Ⅰ郭)方向と倉跡(Ⅲ郭)方向への分岐点が見つかっており、虎口郭であったと考えられます。
配布資料より
千葉氏の家紋『月星』が刻まれている模擬矢立の様子は圧巻です。
大堀切



城山通路






城山(Ⅰ郭)


本佐倉城の中で最も重要な「詰の郭」です。土塁と帯郭によって守られた郭内部から千葉氏の屋敷と考えられる建物群が発掘されています。門跡、建物跡、櫓跡、園池状遺構、それらに付随する堀などです。建物跡からはかわらけを合子状に組み合わせた自鎮具がみつかっています。
城山門跡


その他・城山の写真









最後の写真は、城山から案内所を見下ろしています。
倉跡(Ⅲ郭)

階段状4段の平坦面で構成されます。最上段は、従来から「常御殿」の推定値であり、掘立柱建物跡や貿易陶磁器、土師質土器等の供膳具、調理具、貯蔵具が多数出土しているため可能性が高いと思われます。また当主の身辺に近待する馬廻衆や奉公人等の詰所、宿直所の可能性が推測される場所でもあります。
配布資料より


2枚目は拡大していくと…
奥の山(Ⅱ郭)

千葉氏の守護神妙見宮の基壇と推測される一辺15㎝の方形壇が発掘されています。基壇の西側には樹齢400年といわれた「からかさ松」が大正12年まで現存しており、妙見宮に付随するものだった可能性があります(後略)
配布資料より





山を下る



内郭群南側
妙見神社





元々奥ノ山にあったものが、山の端・南端へ移動されています。
ガイドさんによると、下総に入った武田信吉(徳川家康の五男)が諏訪神社を建立するため、妙見神社を追いやったとのことですが、真偽は不明です。
根古谷の館・城跡鳥瞰図



中池





今回は以上となります。
セッテイも周りたかったのですが、行き方がわからず&季節外れの暑さで断念しました。
次回は行けなかった場所も含めて外郭も行ってみます。
アクセス
住所:千葉県印旛郡酒々井町本佐倉781
京成線 大佐倉駅より徒歩10分、京成酒々井駅より徒歩20分
JR成田線 酒々井駅より徒歩25分
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