2020年10月3日
天満天神繁昌亭にて、「由瓶のいつかは100ぷらす八席」を拝聴。
由瓶さんをみんなで盛り上げようという雰囲気で、
とてもアットホームな会という印象でした。
演目
月亭天使 H亭の怪談feet.旅の雪笠
笑福亭由瓶 つぼ算/くっしゃみ講釈
仲入り
林家花丸 替り目
笑福亭由瓶 子は鎹
天使さん・H亭の怪談feet.旅の雪笠

開口一番は天使さん。約半年ぶりです。
新型コロナで自粛前最後の生高座が天使さんです。
流れるプールでの小噺を披露した仕事のお話がツボに入りました。
冒頭だけ聞いて人が流れていき、次の人がオチを聞く。想像すると笑えますね。
こちらのネタは天使さんの新作。
オチがあるネタなので、記載してしまうと初見の面白さが消えてしまうかと。
私も衝撃を受けたネタなので、詳細は伏せておきます。
一人一人怪談を語る場面はシリアスなのですが、実は…
H亭とは、繁昌亭ではないようです。
由瓶さん・つぼ算

先日喜楽館で開催された、ぽんぽ娘さんと加藤鷹さんの二人会へ行ってきたという由瓶さん。
加藤さんの出演作品は「全然見ていない」という事ですが、
どういう方かを表現するのに言葉を選んでおられましたw
そして、「せこい」一面を2点ご自身で解説。
ご自宅でレシートを見て、余計に払わされていないかチェックするのが楽しみなのだそうです。
つぼ算は、二荷入りの水がめを買いたい主人公が、兄貴分に頼んで安く買うお話です。
「なるべくぼーっとした、気の弱そうな、間抜けなおっさん」の店に入った二人。
まずは3円50銭の一荷入りの瓶を3円に値切ろうとします。
当然、「そういわれましても…」という店主でしたが、
「…はい…はい。」と押し切られました。
「一荷入りの瓶じゃない」という主人公に対し、
兄貴分は道を一回りしてもう一度行くと連れて行きます。
二荷入りの瓶は、一荷入りの倍の7円…
店主は悟ったように、「それは無理でございます」と(;’∀’)
しかしここも押し切られ6円に。
「ついでにこの一荷入りの瓶も下取りしてくれ」と言う兄貴分。
使っていないので、買い値そのまま下取り。
払った3銭がまだあったのでこれでいいな。という兄貴分でしたが…
由瓶さん・くっしゃみ講釈
時節柄ネタに入る前に、見台を少し下げました(笑)
弟弟子の鉄瓶さんと「僕たちはワンナイトラブ芸人」と仰った由瓶さん。
「若い子にきゃーきゃー言われてるけど、いつまでもそんな事言われないで!」
これは名言ですね!というか、若い子も一緒に歳をとるのですからそうなりますよね。
くっしゃみ講釈は、美人さんとの逢引きを講釈師によって台無しにされたことで、その講釈師に復讐するお話。
こしょうを買おうとして、「のぞきからくり」を語る主人公と、終盤に講釈師が語る場面が特徴です。
こしょうは売り切れでしたが、唐辛子を手に入れた主人公。
のぞきからくりを語り見世物のようになってしまい、ちょっと怒った八百屋の店主でしたが、「面白かったでっせ」と優しい言葉をかけておりました。
講釈場で一番前に座り興奮。
さらに講釈に聞きほれてやること忘れてた主人公も可愛かったです。
仲入り
花丸さん・替り目

出演時間がわからず、15:30に楽屋入りしていた花丸さん。
由瓶さんがお色直ししている時月亭秀都さんが宣伝をされていたのですが、
後ろで一席やりたかったと仰っておりましたw
花丸さんは、由瓶さんを「上方落語の熱男」と評されました。
替り目は、酔っぱらった主人が俥屋に乗せてもらうところから話が始まります。
自宅は目と鼻の先でした。俥屋さんに謝金を渡し、家に入れるおかみさん。
家でも飲みたいという主人を寝かそうとしますが、
押し切られお酒を用意する羽目に。
つまみは…という主人ですが、すべておかみさんが「いただきました」
「茶瓶のふたでもつっこんで飲みなさい!」
このおかみさんの言葉に対する主人の反応が面白かったです。
酔っぱらっていた事もあるでしょうが、強いことを言いながら懺悔する主人をおかみさんはどういう目で見ていたのでしょうか…
由瓶さん・子は鎹
冒頭の設定からちょっと変わっております。
子は鎹は花魁を引っ張るため離縁したというのが多いです。
由瓶さんは、「飲み屋のお姉さんを主人の所から逃がして借金を肩代わりしたけど、他の男の所に逃げて行った」という設定になっております。
そして主人公の熊さんは、「お酒をやめられていないけど、少なくしてる」
現在よれよれの半纏を着て、無精ひげを生やしている。
これはいい設定ですね!確かに、一人暮らしだとこうなりがちですから。
そして、お花さんがとらちゃんをかなづちで叩こうとする場面。
とらちゃんを押さえつけずに、対面で叩こうとしてました。
全体を通して非常に優しいお話だったなあという印象です。
まとめ
花丸さんがまくらで仰っていたように、由瓶さんは非常にネタを研究されているという印象。
現代では矛盾しているだろう箇所を改変されて、しっくりきました。
そして内に秘めているものはかなり熱いのだろうなと。
また、高座を拝聴しに伺いたいと思います。
おまけ
検温担当と、お色直しの間次回の宣伝をされていた月亭秀都さん。

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