2022年11月25日
神保町・らくごカフェに行ってきました。
当日の公演は『神田愛山独演会』
奇数月隔月開催のため、本年最後の公演です。
演目
花川戸助六伝(五)寺西閑心
義士銘々伝・忠臣義士二度目の清書
いずれも、神田愛山先生口演
まとめ
義士伝は『別れ』がテーマという話は
某人気講釈師が散々まくらで使っているので置いといて…
『怒りの美学』は当日に思い浮かんだそうです。
確かに二度目の清書きを聴いてると分かるような気がします。
妻・母・子供にも恨まれながらも昼行燈を演じ続け、
ここぞというところで怒りをぶつける。
このようなリーダーであれば、ずっとついていくでしょうね。
今年最後なので、2023年を振り返るお話がありました。
愛山先生に起こった事件は以下の通り。
・ガラケー→ガラケーへの機種変更
・9月にコロナ感染(9/12)→9/15~の名古屋公演中止
・最寄り駅まで15分→20分になる
・左目・白内障の手術(10月)
→数年前から兆候はあったようですが、コロナ拡大を理由に
逃げ回っていたら病状が進行したので、ついに観念したそうです。
花川戸助六伝(六)寺西閑心
『寺西閑心』はどのような男なのか気になっていましたが
さすがは浪人組の頭目、器の大きさが違いました。
次回以降、推理の要素が入ってくるのかな?
吉原堤で揚巻を乗せた駕籠を分捕った、助六率いる黒手組。
揚巻は子分の『大金の権九郎』の”女房”おとらに預けることに。
権九郎も頭が上がらないという肝っ玉母ちゃんのおとらは
「おとらが確かに預かったよ」と、頼もしい。
一方、鳥居の登場に浪人が続々と集まっていた。
浪人組の幹部である鳥居は、黒手組との争いに出撃しようとするが
数人が、浪人組頭目の寺西閑心にお伺いを立ててからと
足並みがそろわない。
そこへ寺西がやってきた。
寺西は鳥居の話を聞いて納得はしたが
助六のいい噂も聞いていたため、真相を確かめに助六と話をすると
黒手組に向かってしまった。
黒手組に寺西がやってきた。
初めて顔を合わせる二人だが、助六の話を聞いて寺西は納得。
自分が仲に入って鳥居の手をひかせると言う。
言葉の通り、証文は助六の手に渡るのであった。
しかし、証文は手に入れたが鳥居が松鶴屋に払った100両は
回収しなければならない。
助六は再び松鶴屋へ向かう事となる…
二度目の清書
毎年11月の後席はこちらのネタです。
二度目の清書を聴くと、今年が暮れるなあといった印象を持ちます。
赤穂藩城代家老・大石内蔵助良雄は、元々浅野家再興を目指していた人物。
再興が閉ざされてからの吉良家討入りへの切り替えが素早いんですよね。
まあ、堀部安兵衛を始め江戸の浪士が暴走しないように。
ってのもあるとは思いますが…
考えてみると、義士伝で『吉良邸討ち入り』のネタを聴いた事がないな。
もちろん、終盤で出る寺坂の口上(修羅場読み)は他のネタでもありますが
討入りとして独立しているネタはないのです。
元々存在せず、すっぽり抜けていて、前後の様子から想像させる
…講談は奥が深いですね。
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