2021年1月29日
らくごカフェの「神田愛山独演会」へ行って参りました。
奇数月最終金曜日の夜に開催。
前座なし。仲入りなし。前後席一気に読まれるという約1時間の贅沢な時間です。
開演時間は今回から19:00に30分前倒し。
元々遠方のお客さんのための19:30開演でした。
が、一回も来ないため本来の19:00開催に戻したそうです。
愛山先生は、客席が掛け声をかけたくてうずうずしているのが高座から見て分かるそうで…
愛山「待ってました!」
伯山「引っ込めー!?」→終わったら、「へたくそー!?」
演目
神田愛山 双蝶々廓日記(五)〜無頼者と上取力士初の間違い
神田愛山 ドキュメント講談 強迫神経症一代記
双蝶々廓日記(五)〜無頼者と上取力士初の間違い
登場人物が非常に多く、一人一人にスポットライトがあたる読み物。
今回は米屋源兵衛の妻・おせきと、その弟・放駒長吉が活躍します。
そして違袖の音吉も登場!この場面は感動したなあ。
松江の機転で酔いつぶされた服部と扇屋。
二人が起きた時には吾妻・松江とも姿を消してました。
話を聞いた血刀の金兵衛は藤屋へ。
吾妻をだせー!と啖呵を切りましたが、ここに吾妻はいませんでした。
店主は吾妻が本当にいなくなった事を見抜き「奉行所へ訴えてもいいんですよ」と逆に脅しをかけたので、金兵衛はそそくさと退散。
悪党は、風向きが変わるとすぐ消えるそうです(笑)
藤屋にいないとなると、どこにいるのだろうかと考える金兵衛。
あそこだ!とひらめき、今度は米源へ。
「いなかったらクビをやる」と言い放ち、家探しをしましたが、二人は裏長屋の象牙職人新助の家に匿われていたため不在。
そのまま帰ろうとしたので、おせきに「クビを忘れてます」と言われた金兵衛。
「クビねえ…あくびをやるわ!」と小突かれ、逃げ出しましたが、その先に弟の放駒長吉が。
長吉は金兵衛と服部を橋の下にある小便壺へ放り投げる。
おせきから事情を聞いた長吉は、兄貴分の濡髪に相談。
そこには違袖の音吉も。
吾妻の身受けをした方がいいと考えた二人。
濡髪が1000両箱を持ち新町へ走ります。その道中ですれ違った金兵衛・服部。
金兵衛は1000両箱ではなく、吾妻の証文を奪おうと画策し仲間を集めますが…
次回へ続きます。
強迫神経症一代記
ご自身の体験を無名の講談師「品川陽吉」に当てはめ
メタ視点で語るドキュメント講談。
強迫神経症については、愛山先生のブログに詳しいご説明がありました。
「几帳面で真面目な人」が罹患する事が多いそうです。
「心のからくり」
なぜ〇〇の時、〇〇という行動をするのか?
例:寄席で自由席の場合、毎回同じ席に座る
これはわかりますね。開いていれば毎回同じ席に座りたいです。
まとめ
「強迫性神経症一代記」は強迫神経症啓蒙活動のために作られたそうです。
「一席古典をしっかりやれば、新作をしくじっても許してくれるだろう」
斜に構えながらお話されてましたが、ご自身の暗然たる体験を笑いに昇華されているのは愛山先生の実力ならではだと感じました。
そして包み隠さずご自身の半生を語る愛山先生を、ますます好きになった今回の独演会でした。
「拍手が足りなかったら大門に縛る」「帰りに戸を締める」と仰ってましたが、縛り付けられなくてよかったです(笑)
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