神田愛山独演会1/27~愚痴のまくらや年明くる

2023年1月27日
神保町らくごカフェに伺ってきました。
当日の公演は『神田愛山独演会』です。

演目

・花川戸助六伝(六)助六と松鶴屋二度目の掛け合い~新兵衛百両奪う
・間違えられた敵(菊池寛原作)

いずれも神田愛山先生口演

まとめ

愛山先生は講談の『型』を客席に残したいと仰ってました。
侠客伝はこの型、世話物では、軍談では…etc
先生を基準として、まだ見ぬ若い講談師の口演を聴いていきたいです。

『型』の話の元になった愛山先生のブログはこちら。
これからの時代劇に警鐘を鳴らしています。

「連続物は途中から聴いてもわかるようにしなければならない」

連続物に対する愛山先生の名言です!
確かに一話から順に聴いていくのも楽しいですが
事情があって参加できないこともありますからね。

なお、愛山先生は今年古希を迎えます。
ご生誕の日・11月26日は日曜日なので記念会を開催されるそうです。
こちらも楽しみです!

花川戸助六伝(六)助六と松鶴屋二度目の掛け合い~新兵衛百両奪う

助六と揚巻を中心に描かれる群像劇です。

助六vs松鶴屋再び!
前回の多少穏やかな雰囲気とは違い
今回は啖呵の応酬で見応えがありました。

いよいよ松鶴屋が本性を現わしてきました。
そして、助六に迷惑をかけまいと罪を犯してしまう新兵衛。
話の行方やいかに!?

 

浪士組頭目・寺西閑心の説得で、揚巻の証文を入手した助六。
かねてからの約定通り、鳥居から渡された身受金100両を返してもらうため
松鶴屋へ掛け合いに向かう。

助六は、元来の身受金50両は自分で出すから
残りの半金50両を返してほしいと掛け合うが
松鶴屋は使ってしまったので、しばらく立て替えてほしいと言う。

さすがに二度もなめられては黙っていられない助六。
対して松鶴屋も「金から二番目が命!」と引かず、ついに刀を抜こうとしたが、そこに『会所』の役人が飛び込んできた。

恥をかかされたのは俺だ、俺が叩っ斬らなければ腹の虫がおさまらない

役人の顔を立ててこの場は下がるが怒りは収まらない。
詰め所に戻った助六は口止めをしながら一部始終を子分に話す。
しかし、『吹っかけの大衛門』が揚巻の父・新兵衛に話してしまった。

新兵衛は気持ちの整理がつかない中、おでん屋の営業に。
最初の客が巾着切りで、偶然通りかかった役人に捕縛される。

「今日は魔日か…」とうなだれる新兵衛。
仕事道具を持ち上げたら少し重かったので
中身を確認したところ巾着切りが残した100両があった。

盗人の上前をはねるのは大罪と理解している。
が、これ以上助六に迷惑を掛けられないがために
新兵衛は100両を急場しのぎで使うことになる…

間違えられた敵

お酒を飲んでしまうと気が大きくなってしまい
自分を大きく見せたいがために嘘をついてしまうこと
昔はよくあったなあと思いながら聴いていました。

今思うと、なんであんなことしてたのだろう?と
猛省する日々なのですが、自分に自信がなかったのでしょうね。
自信があればありのままで表現できるはずだと感じました。

一つの嘘をつくとそれを取り繕うためにもう一つ
雪だるま式に重なって、気が付いたときにはホントか嘘かすら
わからなくなってしまう…

主人公の嘉平次はそれが仇となり、本当は敵ではないのに
勘違いで討たれてしまいました。

さすがに現代では討たれることはないでしょうが
信用はなくすでしょうから、反面教師にしたいと思います。

六代目小金井芦州先生のエピソードも面白かったです(笑)

 

おまけ
本年最初の公演ということで
結城昌治先生他が年末年始を詠んだ俳句からスタートしました。

『志ん生の 宿屋の富も 年の暮れ』
『文楽の 富久を聴く 師走かな』
『衣装にて 楽屋の中の 年賀かな』
『初席の 小さんいささか 酔いびたり』

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