2022年8月19日
新宿永谷ホール(Fu-) へ行って参りました。
当日の公演は『講談新宿亭』
今月から神田松麻呂さんが二つ目に昇進。
永谷商事さんの演芸場では、お披露目が行われてます。
演目
神田紅希 幼き日の家光と信綱
神田真紅 面の餅由来
神田松麻呂 井伊直人
神田紫 勘助島の由来
~仲入り~
まとめ
松麻呂さんの羽織袴姿『着物に着せられている』状態でした(鯉風さん談)
これから年を追うごとにしっくりくるのでしょうか。
重複して所属している落語芸術協会では、階級が前座のため
芸協で二つ目に昇進する9月21日まではSNS運用はお預けです。
その代わりに、ご本人直筆の『ごあいさつ』が配布されています。
(毎回文面は変わるそうです)
出演情報なども、そちらに記載されてました。
日本講談協会としては、現・伯山さん以来の男性二つ目。
個人的には将来を約束された逸材だと感じているので
今後の活躍が楽しみでなりません!
真紅さん 面の餅由来
東京にもこのお話はあるんですね。
面の餅由来は、上方・旭堂南龍さんの口演で聴いたことがありました。
真紅さんでは場所が大洗→水戸に出稼ぎに行く形。
賭博は大洗神社にて。
おたふくのお面が般若とわかった途端
家まで走っていく娘の姿かけなげでした。
松麻呂さん 井伊直人
昼席では『正直俥夫』をかけた松麻呂さん。
夜席は、初めの頃から演っているという井伊直人です。
これまでは持ち時間の都合上早口でしたが
今回はゆっくり演ってみるという趣向でした。
武芸を怠けてすっかり弱くなってしまった直人が
柳生但馬守・飛騨守親子にみっちり鍛えられ、妻・お貞を越える物語は
今後の松麻呂さんのご活躍を暗示しているかのようでした。
節々に見えるくすぐりも面白いですね!
寄席でもうけるネタなのは頷けます。
紫さん 勘助島の由来
『医者よりも 娘の病 乳母が知り』
忘れ物を淀屋十兵衛に届けた際のやり取りを見て
一目惚れした勘助と夫婦になったお直ですが
お金は降って湧いてくると思い込んでいた箱入り娘。
近所のおかみさん連中も、それを知ってか知らずか
家事の手伝いをしながらもお直にたかっていました(!?)
事情を知らないことほど恐ろしいことはないですね…(;’∀’)
仲入り
鯉風さん 細川の青竹の水仙
いわゆる『竹の水仙』です。
名工・左甚五郎は、足利家臣・伊丹左近尉正利の子息『伊丹甚五郎』
だった説があり、こちらを採用されています(他にも諸説あり)
京都で名声を上げ、三井越後屋に呼ばれて江戸へ下る際
鳴海宿(現在の名古屋市緑区)で起こったお話。
内容は竹の水仙とほぼ一緒なので詳細は割愛しますが
『大名行列』について興味深いお話が聴けました。
時代劇の影響で全員平伏しているイメージですが
実際はお偉いさんだけが平伏・あとの庶民『見て観ぬふり』でよかったそうです。
二つ目昇進・羽織つながりで
兄弟子である当代山陽さんとの思い出を語ってくれました。
紅さん 牡丹燈籠・栗橋宿
伏線になる『発端』のさわりを聴いて
因果は巡るの意味がようやく分かりました。
また、『お札はがし』でなぜお露の霊が萩原新三郎に憑りついたのかも氷塊。
すべては発端から繋がっていたのですね。
三遊亭円朝という人間は、物凄い作品を残したのだなあと実感しました。
伴蔵がお峰に謝る場面は、先代山陽先生のご自宅で深夜に稽古していたそうです。
山陽先生の謝り方が迫真に迫っていたのですが、なぜかと言うと…
そんな思い出話もしていただきました。
おまけ
当日の主役・神田松麻呂さん
(写真がブレていて申し訳ありません…)


おまけ2
松麻呂さんの<ごあいさつ>(半分のみ)
全文は現地に来た方のお楽しみです。
今後、9月21日までSNSの代わりに配布されるそうです。

コメント