2020年9月26日
此花千鳥亭で開催された「講談ひるず」をオンライン視聴。
1部が若手の高座。2部は能楽師の今村哲朗さんが登場されました。
演目
第1部
旭堂南璃 源五と中間元助
旭堂南鈴 秀吉と易者(太閤記・矢矧橋)
第2部
旭堂南龍 雷電の初土俵(寛政力士伝)
今村哲朗 謡曲スペシャル講義
旭堂小南陵 難波戦記~真田幸村大坂入城
第1部
南璃さん・源五と中間元助

お初の南璃さん。格調高い武士のやり取りと声が合ってました!
「わしも死にゆく覚悟」
松の廊下にて刃傷事件を起こした浅野内匠頭は即日切腹。
赤穂の武士・片岡源五右衛門は江戸に居を構えておりましたが、お家はお取り潰し屋敷を明け渡すことに。
今後の身の振り方を相談に赤穂へ出立の際、元助は同行し一緒に切腹しようとしますが源五右衛門に諫められました。
赤穂で評定の末江戸へ戻って来た源五右衛門。
元助を解雇しようとしましたが、身の世話や内職をするという事で奉公を続けます。
日は流れ吉良邸討ち入り前夜、今度こそはと元助に暇を出そうとしますが拒否。
源五右衛門は主人思いの元助に討ち入りする考えを語る事となります…
南鈴さん・秀吉と易者

南鈴さんの高座も初めてです。
当日お昼に4席高座を務められた南鈴さん。1日5席はすごいですね(;’∀’)
浪人時代の秀吉はこんな声だったのかなあと納得する語りでした!
矢矧橋にて後に「安国寺恵瓊」となる易者と、
木下藤吉郎の出会いを描いたフィクションです。
代金を支払い、お弁当も渡すほど藤吉郎の相を見たいという易者。
「三公の官位」の昇る相を見た易者は、道具をすべて川へ投げ込み店じまいをするという暴挙に出ます。事情を聞いた藤吉郎は…
第2部
トークコーナー 今村さん・小南陵さん・南龍さん
「史上初、能楽師が講釈台の前に座る」
江戸時代は侍の位を与えられていた?という能楽師。
お能が好きな将軍がいたそうで、自由に出入りできるように侍の格が与えられていたそうです。
ただ、侍の格が与えられたのはエリートばかりなので揉めたのだとか。
講談師と能楽師の発生方法についての違いの解説も。
声を前に出すのではなく、後ろに出す(能面に当てないようにする)
お能は、演劇なので語る部分がメイン。メロディを発しているわけではないそうです。
東洋と西洋の声の使い方について。
根性論と消耗品の違いは確かに言われてみればそうですね。
野球でも、プロ野球とメジャーリーグで同じような考えの違いがあるので納得できました。
その他ないしょのお話がありましたが、
これは実際に現場にいた方や配信を観た方のお楽しみと言う事で。
南龍さん・雷電の初土俵

歴史上最強の呼び声が高い力士・雷電爲右エ門。
生涯で10敗しかしていないという無類の強さを誇りました。
その初土俵。「谷風の情け相撲」「越の海」と合わせて東京でもよく聴けるネタですね。
小諸から江戸へ出てきた為三。
小野川喜三郎へ弟子入りを頼みに行きましたが、
気に入らないことがあり踵を返してきました。
翌日は谷風梶之助の下へ。
為三の身体を見た谷風は3年間「隠し弟子」としてみっちり稽古して、4年目の本場所にいきなり幕内へ。四股名は「雷電爲右エ門」となりました。
初日の相手は小野川喜三郎の弟子で、八角政右エ門。
立ち合い、がら空きになった右手に突っ込んでいった八角に対し、強烈な張り手をかました雷電。
八角は吹っ飛び、そのまま息を引き取ってしまいました。
張り手と、閂、さらに突っ張りを封じ手にされながらも生涯成績254勝10敗。
横綱の話も出ましたが、初土俵で八角を殺してしまったこともあり辞退したのでした。
今村哲朗さん謡曲スペシャル講義

「高砂」を小南陵さん・南龍さんと講義。
1小節中に高砂→住吉まで船で移動するという事で、あたまの中で切り替えができれば聴きやすい。
ついていくには事前に勉強をした方がいいのですね。
「学校の校歌」は七五調。振り返ればそうですね。
私の小学校の校歌の冒頭は「ひろいそら たかいくも かがやくひかり」七五調です。
お能でも張扇を使用するそうで、そちらのお話も興味深かったです。
まだまだ未開拓のジャンルなのでますます興味が湧いてきました。
小南陵さん・真田幸村大坂入城

上方の張扇は革、江戸は和紙。
道具一つとっても違いがあるんですね。
そういえば千鳥亭の見台は、少しコンパクトのような気がします。
最後まで腑抜けたふりをしている幸村に余裕を感じますね!
さすがは昌幸の後を継ぐ策士といったところでしょうか。
九度山蟄居後、父昌幸が亡くなり腑抜けてしまった幸村。
これは徳川を欺くための計略で、その間に軍略・兵法を学び続けておりました。
時は流れ大坂の陣前夜。
来るべき戦いの軍師に幸村が推挙されました。
幸村に会いに行った豊臣家臣。まったく腑抜けておらず堂々とした姿に安心し、また幸村は大坂入城を約束するのでした。
大坂入城する約束の日、九度山を出る直前に前醤油問屋と碁の勝負をする幸村。
いつもは大して強くないのですが、まったく違う手筋で圧倒しました。
そうこうしているうちに松倉重政が幸村の屋敷に押し寄せてきましたが…
まとめ
2021年に能楽を観るのはマストとなるでしょうか。
まだまだ観たことの伝統芸能が多いので、いろいろなものを体感したいと思います!
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