2022年7月23日
港区伝統文化交流館に行って参りました。
こちらは芝浦花柳界の見番として建設された施設を改装した
現地の歴史・芸能が学べる場所です。
当日の公演は『真夏の怪談』
その名の通り、怪談をテーマにした公演。
ご出演は、浪曲より澤雪絵さん・佐藤貴美江さん、講談より神田松鯉先生です。
演目
~仲入り~
神田松鯉 四谷怪談・お岩誕生

まとめ
クスッと笑えるお話と、めちゃくちゃ怖いお話。
同じ怪談でも振り幅がありましたね!
気鋭の浪曲師と人間国宝、贅沢な90分でした。
怪談だからなのか照明は舞台のみ。
昔の寄席はろうそくが2本立っていただけというお話もあるので
当時の興行はこんな感じだったのかなあと、想像しながら楽しませていただきました。
今回の公演は、定員に対して2.9倍の応募があったそうです。
もし来年も開催されるのであれば、チケット争奪戦になること間違いなし。
果たして次回も伺うことはできるでしょうか。
お子さんも数多くご来場されていたので
未来のお客さんになってくれれば嬉しいですね!
雪絵さん 幽霊貸し屋
原作は山本周五郎さんの短編小説。
結論としては、地道に働くのが一番ということになるのですが
その過程が一癖も二癖もあって楽しい一席です。
古今東西・幽霊であっても
若い女性に口説かれるとなびいてしまう…
男の悲しい性ですね(;’∀’)
弥六がしっかり自分を持っていたら
不労収入で一生安泰だったと考えると
惜しいことをしたなあとも思いますね。
酒好き怠け者で女房に逃げられた、桶職人・弥六の元に
芸者の幽霊・お染が現れ押しかけ女房に。
ある日、大家から店賃の催促をされた弥六。
お金の工面に頭を悩ますが、お染がとんでもない提案をするが…
仲入り
松鯉先生 お岩誕生
雨の中、金貸し・伊勢屋重助のおかみさんが伝助宅にやってきて
主人の生首を抱きしめ、乾いた笑みを浮かべる描写が…(;’∀’)
現代のように照明もないですから、怖さ倍増ですね。
『世の中は全部あべこべなんだよ!』
債権者である重助を斬り捨てて懐のお金を奪った
足軽小頭・高田大八郎が、飯炊きの伝助に放った台詞が印象に残りました。
被害者であり、加害者でもある伝助。
命乞いした代償としてはあまりにも重いものを
背負わされてしまったような気がします…。
夕食が食べられない様子が真に迫っていて
一瞬吐き気がこみ上げてしまいました。
すごい高座だったなあ。

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