目黒周辺を歩く②~三沢初子が眠る寺院・正覚寺

2022年4月2日
東急田園都市線池尻大橋~東急東横線中目黒駅周辺を歩いてきました。
こちらは後編になります。

実相山 正覚寺

ご縁起

 実相山正覚寺は元和5年(1619年)に日栄上人によって開山された日蓮宗の寺院です。
碑文谷法華寺(現在の円融寺)の末寺として創建された正覚寺は、不受不施派として幕府からの弾圧を受けるなど困窮した時代にも直面しましたが、伊達家三代目藩主綱宗の側室である三沢初子の帰依により寺門繁栄に貢献し、伊達家との縁の深い寺院として400年以上もの歴史を紡いで参りました。
令和元年、正覚寺開山400年を記念して改修された鬼子母神堂では、三沢初子が祈念したとされる安産・子育の神様、開運子安鬼子母神が祀られております。

正覚寺ホームページより

境内の写真

正門・御成門

瘡守稲荷像・浄行殿

瘡守稲荷像

 皮膚の伝染病に御利益のある守護神として信仰されました。毎月十八日にご開帳され、中にいる大明神を拝見する事が出来ます。

浄行殿

 法華経に登場する水徳の菩薩。お題目を唱えながら磨くことで、汚泥を水で浄めるがごとく煩悩を取り払うことができます。

頒布資料より

鬼子母神堂・日蓮聖人像

 安産・子育の神様、鬼子母神様をお祀りしているお堂。神獣の彫刻や、江戸琳派の絵師による龍の天井画などもお楽しみいただけます。

頒布資料より

祖師堂

 堂内では徳川家斉が江戸城で拝んでいた日蓮聖人像を安置しています。冬になると座布団をお被りになられた姿を見る事ができます。

頒布資料より

本堂

 厳かな建築と煌びやかな内装。お釈迦様のご入滅の様子が描かれた涅槃図を掛軸にしてお祀りしています。

頒布資料より

三沢初子像・三沢初子の墓

  正覚寺の境内に入るとまず目に付く、打ち掛けを羽織った女性の銅像。彼女は正覚寺の隆盛の基礎を築いた伊達家三代目藩主綱宗の側室、三沢初子です。
三代目藩主綱宗の隠居謹慎により、わずか二歳で藩主となってしまった我が子の安全を鬼子母神様へ祈念し、当時は正覚寺にも深く帰依されていたと言われています。壮絶な人生の中でも慈愛に満ち溢れた三沢初子は、歌舞伎「加羅先代萩」の主要人物である政岡のモデルとされ、現在も広く語り継がれています。

頒布資料より

目黒川水難供養塔・忠魂碑・橋本牧場供養塔

 目黒には明治中頃から昭和初期にかけて数多くの牧場があり、地域の人々に新鮮な牛乳を供給していました。しかしそれらも目黒の都市かとともに姿を消し、今日では全くその姿をとどめていません。

 橋本牧場は明治20(1887)年頃から大正12(1923)年まで上目黒4丁目あたりに3千坪(約1万㎡)ほどの敷地で存在した牧場で、畜牛供養塔は経営者の橋本寿吉氏により牧場廃業時に敷地の片隅に立てられたものです。

 その後、開発等により慰霊碑は移転を繰り返しましたが、平成19年に現在の場所に安置されました。区内に牧場があったことを物語る数少ない貴重な資料です。

現地案内板より

寺務所

御首題

アクセス

実相山 正覚寺

東急東横線/東京メトロ日比谷線 中目黒駅徒歩5分

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