2021年2月13日・14日
旭堂南龍さんのオンライン公演「時節柄オンラインでなんりゅうの挑戦!!」を視聴。
今回は全4回(2月13日,14日,20日,21日)公演。
2月20日、2月21日分は現在販売中です(当日開始時間まで)
オペレーション含め、完全に南龍さんお一人でした(笑)
演目
2月13日
旭堂南龍 名人伝・市川小団次
旭堂南龍 難波戦記~後藤又兵衛(上)
2月14日
旭堂南龍 名人伝・中村仲蔵
旭堂南龍 難波戦記~後藤又兵衛(下・大坂入城)
2月13日

市川小団次
「これも修行」と仰っていたので、小団次にご自身を投影されたのかなあと感じました。
主人公・市川小団次(四代目)は実在の人物で、幕末に活躍した名優。
親分格である、嵐璃かくとの確執を芸に昇華して名優への階段を駆け上がりました。
芝居に穴を開けた、当時の米十郎が璃かくに罵倒された際、殴り込みを止めた嵐三津五郎もお見事。
「惣菜のコハダは猫に食われけり」
大看板と持てはやされ、浮かれていた璃かくは中村屋の座頭に出世した小団次と再会。
「守り本尊」という蹴落とされた紅緒の楽屋草履を見た璃かくは、怒り心頭でしたが…
自分より年長者がいなくなると𠮟ってくれる方がいなくなる。
そして、周りがもてはやすので段々鼻が伸びていくのでしょうね。
後藤又兵衛(上)
後藤又兵衛は黒田家家臣→出奔し、大坂の陣に参加・討死した武将です。
2014年の大河ドラマ「軍師官兵衛」では、塚本高史さんが演じてました。
主な登場人物
(上下共通) 後藤又兵衛 片山勘兵衛 遊女・お蘭 小出大和守 徳川家康
(上のみ) 塚本八郎太
又兵衛が大坂泉州に入った事を知った徳川家康は、又兵衛が大坂城へ入る事を危惧し、岸和田城主・小出大和守へ監視を命じた。
大和守は家来の塚本八郎太に、軍学兵法所を開いている又兵衛の門下生として様子を探るよう密命。
徳川方と見抜いていた又兵衛だが、自分の知恵を若人に伝えたい。
徳川・豊臣どちらでもよいとの事で、講釈を毎日手ほどき。
噂は広がりあっと言う間に徳川方から増える門下生。
ある日、堺の乳守遊郭「大和屋」の遊女から書状が届く。
身に覚えがない又兵衛だったが、大坂入城への足掛かりになると読み遊郭へ赴く。
遊女「お蘭」は泉州堺にある酒屋の娘だったが、一年前に酒癖の悪かった八郎太に難癖をつけられ両親を斬られてしまった。
だが、両親は豊臣贔屓だったため徳川方の大和守は八郎太への咎めなし。
お蘭は両親の無念を晴らしたいと不慣れな商売をしたが、借金が莫大になってしまい遊女になった。
現在八郎太は又兵衛の門下生。両親の仇討をするため、お蘭は軍学を学んで両親の仇討をさせてほしいと涙ながらに懇願。
だが、又兵衛は自分の弟子を女子に討たせるわけにはいかんと、その場でお蘭を斬ろうとする。
お蘭は「不義の弟子の味方をするとは、後藤又兵衛も地に落ちた。どうぜ首を跳ねて下さいまし」
望むところだと刀を振り下ろすが寸止め。
お蘭の気概を試していた又兵衛は、心底を見極め助太刀を約束。
連日夜に大和屋へ足繁く通うことに。「英雄、色を好む」門下生はすっかり油断してしまった。
そんなある日、軍学兵法指南を終えた又兵衛は八郎太を呼び出し。
進物のお返しとばかりに酒宴の席を設ける。
一刻後。酩酊し冗舌になった八郎太は、お蘭の両親を斬り捨てた一部始終を吐露。
「今の堺があるのは、豊太閤様のおかげである」と言い回っていたので、営んでいる酒屋に難癖をつけてへこましてやれという大和守の命令だった。
話を聞いた又兵衛は、お蘭を召喚。
八郎太も堂々と対峙するが、毎夜手ほどきを受けていたお蘭は、見事仇討ち本懐を遂げた。
その後、ますます大和屋・遊女お蘭の下へ足繁く通う。
これは又兵衛の計略だと言うが…。
2月14日

本題へ入る前に、一龍齋貞水先生のお話がありました。
忠僕直助(誉れの刀鍛冶)は貞水先生から稽古をつけて頂いたそうです。
「講談をしなくちゃいけないね」
中村仲蔵
中村仲蔵(初代)は江戸時代中期の歌舞伎役者。
「名人仲蔵」と言われた名優の立身出世。
そして「仮名手本忠臣蔵」五段目、斧定九郎の現代に続く型を作り上げた物語です。
「青は藍より出でて藍より青し」
南龍さんの中村仲蔵は史実寄り。
仲蔵の生い立ち、中山小十郎の養子からの成長。
名代出世後、座付作者・金井三笑との確執についても描かれてます。
前日の市川小団次同様、江戸育ちの登場人物が江戸弁になっているのが印象的でした。
工夫が受けなければ別れなければならない状況で、器量の良さを見せた妻おきしもお見事!
後藤又兵衛(下)
後半は又兵衛の大坂城入城まで。
又兵衛の見事な計略が光りました。
主な登場人物
(下のみ) 明石全登
相変わらずお蘭の下へ足繁く通う又兵衛。
門下生は「又兵衛は遊女に骨抜きになっているから大坂城へは入城しない」
とすっかり安心している。
又兵衛とお蘭は男女の仲になっていなかった。
ある日の夕刻。大和屋にて別室から酩酊した田舎侍(明石全登)がお蘭を引っ張っていこうとしたところ、又兵衛が止めに入ったところ二人は組み合って庭へ転がり落ちる。
更に植え込みの奥へ行き二人だけになったところ、全登は豊臣秀頼からの密書を受け渡した。
家に帰った又兵衛は、病を患ってしまった。
門下生が見舞いに訪ねたところ、「我の病は、恋煩いと金病(金欠)じゃ」
お蘭が身受けをされるのを阻みたいが、黄金100枚が必要。
治ったらお蘭と共に山奥でしっぽり暮らすと言う。
門下生は大和守へ伝えたところ、大坂入城を阻むことができるなら。
と、喜んで100両を用意し又兵衛に届させる。
受け取った又兵衛は翌日お蘭を見せると約束し門下生を帰す。
その間に家来の片山勘兵衛が残りの仲間を集め支度を整える。
また、お蘭も身受けして親類縁者へ送り届けた。
翌日、勘兵衛から又兵衛が前日から居続けている事を聞いた面々は大和屋へ。
しかし又兵衛はいない。お蘭も身受けされたと言う。
怪訝な表情をしてとんぼ返りした門下生たちが目撃したのは、威風堂々とした後藤又兵衛の姿。
「これから大坂城に参り、徳川方と矛を交えしその戦場において、この日本号の槍先に微視を添え、お前たちにお返し致すであろう。それまではしばし待てよ」
エイエイオーの掛け声と共に又兵衛が大坂城へ入城する様子を、指を咥えて見送るしかない小出大和守の家来達であった。
まとめ
二日目のまくら。
当日はバレンタインデーという事もあり、チョコレートが玄関に一つくらいあっても…
が、よこしまな事を考えていたおかげで…
「今日は反省やな」とつぶやく南龍さんが面白かったです(゚∀゚)
おまけ
初日終演後、那須与一のポーズ
二日目終演後手を振る南龍さん。


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