5月23日 神田桜子二ツ目昇進記念講談会を視聴(事前収録)
「伯山ティービー」にて期間限定(5月31日12時まで)配信です。
桜子さんは神田陽子先生のお弟子さんで、伯山さんの披露興行でも度々映っておられましたね。
5月1日より二ツ目に昇進された桜子さんですが、コロナ禍の状況により披露目をする事ができませんでした。そこで今回の企画。
今回より投げ銭が導入されておりますが、収益は演者の出演料や経費を差し引いて全額が日本講談協会の活動資金になるとの事でした。
演目
神田桜子 秋色桜
神田伯山 寛永宮本武蔵伝~狼退治
神田陽子 応挙の幽霊画
神田松鯉 名人小團治
オープニング 伯山さんトーク
演芸会で配信が広がっていることについて。
投げ銭の文化がこれから根付いていくのではないか?との事です。
これまで演芸に関しては違法動画が多かったですが、今後ご本人の公式動画が増えていくといいですね。
桜子さん・秋色桜

前座働きをされている桜子さんを観ることは何度かありましたが、高座を拝聴するのは今回が初めてです。非常に聞き取りやすい柔らかな声でした(´▽`)
芭蕉十哲の一人、宝井其角に見いだされたお秋(秋色)の出世物語。
宝井其角は義士銘々伝「大高源吾」にも出てきますね。
奉行所での父親との「俳諧」と「灰買い」の言い間違いが面白いです。お奉行の「父は愚昧である」を根に持つ父親(;’∀’)
ある日父親を「お供」として連れて行ったお秋でしたが、その日は雨が降りました。
帰りは「親が供して子供が駕籠に乗る」状況に。
その道中で思うところがあったのか、途中で駕籠を入れ替わる父親想いなお秋でした。
伯山さん・狼退治

入門願いをしたのも初高座も、今回の収録場所「お江戸上野広小路亭」だった伯山さん。初高座はご自身曰く「よかったですね~」との事(´▽`)
前座時代、40分つないだお話は驚愕。それがご本人の自信になったようです。
伯山さんの狼退治をフル?で観たのは初めてです。前座噺なんですね。
寛永の宮本武蔵は史実とは違い、マンガチックと( ..)φ
巌流島に武蔵がオンタイムで現れるのは面白いですねw
箱根の山中で出逢った駕籠屋、一人で駕籠を担ぐという(;’∀’)
関所で足止めを食らい野宿をすることになったが、その夜に狼に襲われました。
46日ぶりの高座でもバッタバッタと狼を斬りつける武蔵!
うまい!と自画自賛の伯山さんでした。
そして一緒にいた駕籠屋が実は…
陽子さん・応挙の幽霊画

陽子さん久しぶりだなあ。
昨年定席の主任興行でジョン万次郎の講談を拝聴しました。
そういえば今年続きを読まれると仰っておりましたので、どこかで聴けるかな?
こちらは円山応挙という絵師の話です。
応挙は「円山派」の祖で、足のない幽霊画を最初に描き始めた一人だと言われております。
絵の修業の旅路、長崎で出会った薄雲太夫という花魁。
患っているので身の証を受け取り、三両と引き換えに薄雲太夫の下絵を描きました。
翌日の真夜中、きれいな花魁に挨拶されるという不思議な夢を見ました。薄雲太夫はその夜に亡くなります。
その後旅から戻った応挙。
行きつけの茶屋の借金がかさんでいたので、客の呼び込みのために薄雲太夫の下絵から幽霊画を描きましたがその幽霊画が!
「人というのは死ねば無になるとばかり思っていたがそうじゃない。あなた方の娘さんは、この応挙の手を借り二親に姿を現したばかりか、二親の窮地を救ったんだ」応挙のこの言葉が印象に残りました。
松鯉先生・名人小團治

人間国宝の芸をたっぷり聴けるのは嬉しいですね。
チャット欄の「成増屋!」には笑いました(;’∀’)
市川米十郎が小團治として座頭に出世し、その後物別れになった師匠と再会したという物語です。
豊島屋→嵐璃珏(あらしりかく)がお客様からどういう言葉を下さるのだろうと、若い衆を客席に忍ばせるというのは今でいう「エゴサーチ」ですかね。
しくじった米十郎に怒る璃珏の迫力がすごい!画面越しでも伝わってきました!
そして20年を張扇ひとつで経過させられる講談(´▽`)
座頭に出世した小團治と、再会した璃珏との雪解けの場面は感動しました。
楽屋の映像がはっきり見えたなあ。
20年前に璃珏は米十郎を蹴とばした後「短慮だった」と後悔したかは不明ですが、松鯉先生の行間からはそれが伝わってきました。
まとめ
早くも第2回の企画が進んでいるようで、楽しみです。
桜子さんは翌日5月24日の「ネット芸協らくごまつり」の二ツ目紹介コーナーにて言及されておりましたが、前座の楽屋入りが「歌丸65周年興行」、最後が「伯山襲名披露興行」という大イベントに始まり大イベントに終わるという経験をされたそうです。
今年はほぼ桜が観られませんでしたが、来年は「秋色桜」を含めいろいろな場所へ観に行きたいと思います。
補足:円山応挙(wikipedia)
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