第三回オンライン釈場~イイノホールでの講談会

2020年6月20日 第三回オンライン釈場を生視聴。
前週のラジオ「問わず語りの神田伯山」にて告知されていた通り、イイノホールでの開催です。

こちらの会場を観るのは昨年末の「大成金」以来。
500人キャパであるこの会場での無観客開催というのは、これが最初で最後なんだろうなあと思います。

視聴は伯山ティービィーより。
※6月27日正午までの公開だそうです。

演目

神田紅佳 寛政力士伝~越の海
神田伯山 大岡政談~人情匙加減
神田鯉栄 清水次郎長~羽黒の勘六
神田紫  牡丹灯篭~お札はがし

 

オープニング

「莫大な経費がかかっている」というイイノホールでの収録。
無人のロビーで音が響いている様子が伝わってきます(´▽`)

紅佳さん・越の海

「講談界のプリンセス」

紅佳さんの高座は何度か聴いたことがあるのですが、語りが非常に上手いという印象です。
事前に公開された動画で言及されておりましたが、元アナウンサーという事を聞いて納得しました。

相撲の話という事で無観客相撲の話を。
最初は違和感がありましたが、静寂だからこそ力士の息遣いや行司の声など聞こえてくることもあるとの事。
プロ野球が開幕しましたが、こちらも無観客で打球音やベンチの掛け声が聞こえるので、同じような感じなのでしょうね。

五尺五分(1メートル50センチ)で三十六貫目(100キロ以上)の勇蔵。後の越の海です。
両手で四斗樽をぶら下げて歩いているのを、旅興行に来ていた柏戸壮五郎の目に留まりスカウトされます。

弟子になったが稽古をしてくれない兄弟子たち。
痺れを切らした勇蔵は、ある日谷風が公開稽古をしているというので兄弟子たちについて行きます。
稽古をつけてもらいたい勇蔵は、行司の木村庄之助にまわしを締めさせるという暴挙w

谷風に稽古をつけてもらう勇蔵。何と勝ってしまいます。
それを見て笑い転げている雷電為右衛門とも一番。土俵際に追い込まれましたが、こちらは面目を保ちました。

感心した谷風は自分の部屋へ引き取り、稽古をつけ小結まで出世したそうです。

伯山さん・人情匙加減

大岡政談ですが、大岡越前は後半少ししか出てきませんw

こちらのネタは宝井琴調先生に稽古をつけてもらったそうです。
25で女を知らない阿部元益という医者の倅。ちなみに琴調先生は…
ネットの評判を非常に気にしている伯山さんですw

趣味が寺参りの元益。
ある日川崎大師詣りの帰り、雨が降って来たので「加納屋」という料理屋に入ります。
そこで紹介された芸者「お浪」と出会う事で、話が始まります。

お浪に入れ込み、勘当された元益は八丁堀で医者を始めます。
腕が良く三か月もすれば患者が詰めかけるようになりました。
三か月ぶりに加納屋へ会いに行ったお浪が体調を崩していたので、元益は3両で引き取ります。同時にお抱えだった松本屋からも3両せしめるという。悪党ですなあ…

半年後、体調が全快したお浪が加納屋へお礼をしに行ったところで騒動が。

ここで大家さんの器量と、名奉行大岡越前の匙加減が光ります!
わざと吹っ掛けるような言い回しをする大岡奉行と、うろたえる松本屋・加納屋が面白かったです(´▽`)
しかし、大家が一番上手ですね(;’∀’)

鯉栄さん・羽黒の勘六

イイノホールは初めてという鯉栄さん。エスカレーターの品がいいとの事。
伯山さんに「ありがとう!」と舞台上からお礼をしておりました。

元日生まれの次郎長。
元日生まれの人は余程偉い人になるか、よほど悪党になる?鯉栄さん「ケンカしない!」と一言。

ある日、黒駒の勝蔵と小和田の友蔵の間で喧嘩が起こりました。
次郎長は兄弟分の小和田の友蔵に力を貸します。

夜の見回りの場面が面白かったです。
「桶屋の鬼吉」のたがは緩んでいるのではなく、外れている!?
叫び声が響くイイノホール。床がふかふかの絨毯。弁当は伯山さんのおごりだが、スリッパが履きにくいw

見回り時に出会った僧侶が、次郎長がだまし討ちにあうという話をしたので小和田の友蔵の家に連れてきます。
この僧侶は黒駒の勝蔵が差し向けた刺客でした。

勘六は完全に坊主頭ではありませんでした。鬼吉が叫んだ「偽坊主!」に爆笑(;’∀’)
単身敵陣へ乗り込んでいく勘六も立派ですが、それを許し草鞋銭まで渡す次郎長もお見事です!

鯉栄さんが放つクライマックスの啖呵が心地よい一席でした(´▽`)

紫さん・牡丹灯篭~お札はがし

「講釈師、冬は義士、夏はお化けで飯を食い、春と秋とは食いっぱぐれ」
夏と冬は、それぞれ怪談と赤穂義士伝を一席覚えていればご飯を食べられるが、春と秋は代表作がないという川柳です。

根津・清水谷に住んでいる萩原新三郎。
父親が財産を残したため、安楽に暮らしております。

ある日、相見の白翁堂勇齋が新三郎の家の前を通りかかると、男女の話し声が聞こえます。
中を覗くと、驚く白翁堂。翌日新三郎を訪ねます。
人相を見たら死相が出ていると言う白翁堂。
二十日前後のうちにこの世のものではなくなると。

昨日、「お露」という旗本の娘・「お米」という付き添いの女中が訪ねてきておりましたが、白翁堂曰くその二名はこの世のものではないとの事で、取り憑かれていると言います。
所在を確認したところ、確かに二名は亡くなっておりました。

この事を新幡随院の和尚に相談します。
恨んでいるのではなく、慕っているのでなかなか取りにくい。
海音如来の仏像と、除霊のお札を家の至る所に張り巡らし念仏をする毎日。

隣に住んでいる伴蔵・おみねの奉公人夫婦。
ある真夜中、女と話している事が何日か続いているので嫉妬したおみねが問い詰めると、その女性からお札を剥がしてくれと頼まれたと言います。
その女性はお露・お米の幽霊でした。

萩原の旦那にもしもの事があったら、明日から行くところがない。
お札を剥がせと仰るのならば100両お恵み下さい。と幽霊を強請る事を提案するおみね。

その夜二人の幽霊は出現して交渉は成立。
翌日、お札を剥がすと同時に、行水につかわせている間に海音如来もすり替えます。
その夜100両を届けてもらったのですが、どうやって持って来たんだ…(;’∀’)

その後新三郎は二人の幽霊に…

まとめ

最後に怪談を持ってくるのは、夏ならではですね!

毎年8月(例年であれば中席夜の部)に池袋演芸場で紫先生・陽子先生・紅先生がトリで怪談をされますので、今年は行ってみようと思います。

牡丹灯篭の続きは、次回のオンライン釈場で紅先生が読むそうです。
こちらも楽しみ(´▽`)

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