2020年11月22日
桂かい枝さんのオンライン公演「らくごの寺子屋」を視聴。
落語作家の小佐田定雄さんをお迎えし、演芸の一つである「落語」の解説や上方落語の歴史についての講義がありました。
お二方による落語の講義という意味合いが強かったでしょうか。
演目
桂かい枝 落語の解説/平林
桂かい枝・小佐田定雄 「らくごの寺子屋」
仲入り
桂かい枝 京の茶漬け
質問コーナー
落語の解説
「落語」は元禄年間から始まった一人の人がすべての役をする話芸。
上下(カミシモ=左右)に動く事によって、分かりやすく想像して頂く芸能です。
オチを語るので「落語」
オチは大きく3種類
①考えオチ
よく考えないとその意味やおかしさが分からない
※説明が少ないほど面白い
②地口オチ
”一番シンプル”
やればやるほど恥ずかしくなる!?
③仕草オチ
仕草自体がオチになっている。
平林

日本の識字率はほぼ100%ですが、
「三十石」を「三十国」とネタ帳に書いた前座さんがいたようです。
船旅の話が国連の話に…(;’∀’)
平林は普段小学生相手にしかやらないというかい枝師匠。
仰っていた通りかなりオーバーで面白かったです!
「たいらばやし!?」
ちょっと違うな。
「ひらりん!?」
さっきよりちょっと離れた気がする…
「いちはちじゅうのもくもく!?」
もくもく?かなり離れたぞ。そもそも日本人か!?
「ひとつとやっつでとっきっき!?」
絶対違う!
「ひらばやし」は覚えられないのに、
この4つの苗字は覚えていたさだきちでした。
「らくごの寺子屋」
小佐田先生を招いての講義。
箇条書きにて記します。
・上方落語は、神社、境内、河原などのストリート(辻噺)から始まり、道歩いてる人の足を止め、お金をもらう。
江戸落語は幕府の目が厳しくなり、お座敷芸になった。
※東京で出囃子が使われるようになったのは大正以降
・初代露の五郎兵衛
小噺をやってはクイズを出して、客とのやり取りをしていた。
(現在のフリップ芸?)
・初代米沢彦八
茶碗・傘など小道具を使っての小噺・大名の物真似をしていた。
→細かすぎて伝わらないモノマネ。清水アキラさん・コロッケさんがやっている「もしもシリーズ」
※今、芸人がやっている事は米沢彦八が源流?
・「落語は催眠術」
客席を集中させるためにかける人はじっとしている。
膝から上は自由。
・世界的に見てもすべてセリフだけで進行していく話芸は落語だけ。
トルコの話芸に「メッダ」という近いものがあるが、ト書きを使う。
・「役割語」
旦那は旦那らしく、丁稚は丁稚らしく。
言っただけで誰が出て来たか分かる。
日本語だからこそ落語が成立した。
役割語(やくわりご)とは、話者の特定の人物像(年齢・性別・職業・階層・時代・容姿・風貌・性格など)を想起させる特定の言葉遣いである。
wikipediaより
・ストーリーの内容だけなら落語は世界に通用する。
登場人物が大勢いると成立しない。
仲入り
京の茶漬け

「関西人」と言っても、神戸・大阪・京都で考え方が違うようです。
特に観光都市である京都の人々は、質素倹約なご家庭が多いそうで…
京の茶漬けは、京都特有の「ちょうど時分どきさかいお茶漬けでも?」という楽客の帰宅を促す挨拶について、一回食べてみたいというもの好きの大阪人とのやりとりを描くお話です。
「お茶漬け」という単語を引き出したい大阪人と、言わないようにしている京都のおかみさんの駆け引きが面白いですね。
実際に出されたお茶は伊藤園の「おーいお茶」だったのか…(;’∀’)
質問コーナー
Q、硬い雰囲気の会場を温めるためには?
A、友達になる事、仲間になろうとすること
Q、落語の長さは上方より東京の方が短いのは本当?
A、東京の寄席の持ち時間によって変わる。
・関東大震災の際、寄席が壊滅し東京の落語家が大阪に行って勉強した。
大阪→東京へネタが移植されたのはその頃が多いらしい。
Q、あまり好きじゃない、面白さが分からないネタはあるか?
A、現在はわかりやすさが重要視されているので、特にない。
中には泣きなさいと圧力をかける噺家さんもいる??
まとめ
寄席に行き始めた当時は理解できないであろう事柄でも、
いま改めて解説を聞くと理解できることもありました。
今回最大の気づきは、「関東大震災が与えた影響」ですね。
特に上方→江戸にたくさん演目が移植された歴史的な背景については、目から鱗が落ちました。
とても面白い企画だったので、第2弾も期待したいと思います(´▽`)
コメント