霜乃会・東京公演~伝統芸能で上方を知る

2022年10月23日
広尾・祥雲寺で開催された『霜乃会・東京公演』に行ってきました。

『霜乃会』は、講談・落語・茶道・華道・浪曲・文楽・能楽
以上七つの上方古典文化芸能人ユニットです。

元々は2月開催予定でしたが、諸事情により延期。
待ちに待った開催となりました。

演目

文楽/素浄瑠璃  竹本碩太夫鶴澤燕二郎
『苅萱桑門筑紫𨏍』 高野山の段

能楽/観世流仕舞 林本大・(助演)上野雄介
『田村』

上方落語     桂紋四郎
『親子茶屋』

茶席       松井宗豊

まとめ

和歌山(高野山)→京都→大阪(船場)
異なる伝統芸能で上方を旅した気分になり、とても有意義な1日でした。
様々な芸能を短時間で観られる公演は霜乃会ならではですね。

最近、演芸の外側にある伝統芸能に興味を持っています。
例えば、講談の『勧進帳』は、歌舞伎や文楽にもありますし
能では『安宅』という演目で存在します。

また、上方落語の『蔵丁稚』は
仮名手本忠臣蔵『四段目』が軸になっています。

このように他の分野で聴くことは同じネタでも
異なる角度で観られるのではないか?と考えています。

今回の公演は、そんな自分の知的探求心を刺激されました!
また次回、開催されるようであれば伺いたいと思います。

文楽/素浄瑠璃 苅萱桑門筑紫𨏍

『かるかやどうしんつくしのいえづと』と読みます。
高野山の段は五段目になります。

文楽は何度か観ているのですが、素浄瑠璃は初体験。
碩太夫さんの細かい表情、燕二郎さんの繊細なバチ捌きも見る事が出来ました。

文楽の舞台を見ているとどうして人形に集中してしまうので
じっくりお二方を見られ、こんな感じで語っているんだなあと
新たな発見がありました。

能楽/観世流仕舞 田村

『田村』とは、坂上田村麻呂のことなのだそうです。
日本初の征夷大将軍で、清水寺創建に深くかかわった人物。

前半の『クセ』は上野さん。
とても綺麗でやさしい舞をされてました。

後半の『キリ』は林本さん。
前半とはうって変わり荒々しい舞。
敵をなぎ倒すような勢いで圧倒されました。

上方落語 親子茶屋

まさに『お座敷』といった高座で、ネタがばっちり合ってましたね!
お座敷遊びってこんな感じだったんだろあ。

一席終了後は、碩太夫が登場し素浄瑠璃の解説。
・太夫の台本『床本』は、もらうor師匠の床本を筆写する
・床本の黒文字→台詞 赤文字→クレッシェンドなどの『指示記号』
・子供のセリフ→抑揚がない、一本調子
・年配のセリフ→抑揚あり、音が変わる

そして、部屋に飾られていた掛軸には
『佛法功徳寶(ぶっぽうはくどくのたから)』と書かれています。
今回の演目になぞらえてご用意されたとの事。
高野山・金剛峯寺の408世座主・崇峯さんより頂いたそうです。
竹本碩太夫さんのTwitterより)

茶席

茶席も初体験です。
作法が自分の知識で合っているのか不明だったので
某落語よろしく、周りの方を真似してました(;’∀’)

茶器でも上方を表現できるものなのですね~。
特に信楽焼の器や、霜乃会を10個の茶碗で表現しているのは
目を見張るものがありました。

お茶だけでなく、部屋の景色(掛軸・茶道具など)でも楽しませる。
『茶道』は奥が深いですね。

 

おまけ1
オープニング・出演者集合時の皆様
紋四郎さんがいつものようにおふざけして
事務局の朝原さんに突っ込まれてました(笑)

おまけ2
落語・対談終了後の紋四郎さん・碩太夫さん

おまけ3
当日の会場・祥雲寺さんです。
玄関の仕切りの裏に般若心経を発見した時は、ちょっと震えました。

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