東京人×お江戸日本橋亭1/5~講談特集発売記念公演

2023年1月5日
お江戸日本橋亭に行って参りました。
本年最初の演芸鑑賞です。

当日の公演は『東京人×お江戸日本橋亭~2023年2月号講談特集発売記念』
新春にふさわしい、華やかな公演でした。

演目

宝井小琴  酒呑童子退治
神田紅希  幼き日の家光と信綱
田辺いちか 名医と名優
宝井琴調  徂徠豆腐

~仲入り~

トークコーナー
愛山×琴調×瀧口雅人(演芸評論家・墨亭主宰)

柳家喬太郎 親子酒
神田愛山  敵討母子連れ(菊池寛原作)

まとめ

このメンバーで面白くないわけがないですね。
2023年の幕開けにふさわしい、素晴らしい公演。
講談の勢いをひしひしと感じました。

トークコーナーでも触れますが、前座さんについて愛山先生の名言が。
「なぜお金を払っているのに下手な高座を見させられるのかと言うが、そうではない。どれだけ一途にやっているのか?を見てもらいたい。その中でいい人がいれば追いかければいい。客席の皆さんが芸人を育てる。」

ハッとしました。
売れている人を追いかけるのもいいですが
磨けば光る原石の成長を見守るのも、客席の役目なのかなあと思います。

前座さんの会を積極的に開催されている永谷商事さん。
演芸会に多大な貢献をされているんですねえ。
今回の公演を含め、いつも本当にありがとうございます!

売り上げ如何で、今後の展開に影響があるとかないとか…
本誌も是非ご購入下さいませ!

いちかさん 名医と名優

いちかさんのカッコいい佇まいに
このネタはめちゃくちゃ合ってるんですよね。

人情噺を堅苦しくさせないような工夫もあり
楽しく聴かせていただきました。
「これからは眼科が…○○!?」

土方縫殿助からの要求を受ける半井源太郎の意地。
そしてそれに応える中村歌右衛門。
男の友情は美しいものですね。

琴調さん 徂徠豆腐

講談は褒める商売、清水次郎長・国定忠治などの任侠から
47人のテロリストまで(;’∀’)

荻生徂徠が幕府に見出されていく様子を、
旧本牧亭での若手時代に重ねられていました。
もっとも、当時は『つ離れ』すらままらななかったようです。

本牧亭の存在は知っていたのですが
当時は敷居が高くて行けなかったんですよねえ…
いま思い返して、1度でも行けばよかったなあと感じました。

仲入り

トークコーナー

オープニングひとこと:瀧口さん
いま、講談は面白い・楽しい
日本の芸能の最前線

愛山・琴調、両師登場

瀧口 先生方は仲いいんですか?
愛山 トムとジェリーの関係
   (昭和49年2月入門でほぼ同期だそうです)
   楽屋に琴調さんが学生服で遊びに来た。

瀧口 『東京人』の感想
琴調 こういう企画がよく立ったな!そしてよく通った
愛山 昔の先生方が見たら、まず喜ぶ。

瀧口 なぜ講談がここまできたか?
   ひとつは伯山さんの登場だと思うが…
愛山 あいつは俺の悪口で売れた!?

一龍齋貞鏡さん登場
芸歴15年で初めてグラビアに登場させていただいた。今年10月に真打へ昇進。

続き
愛山 伯山のいいところは、プロデュース力があり周りの講釈師も引きあげていく。
瀧口 愛山先生も火をつけられた一人!?

瀧口 これからの講談界について
愛山 あとのことは、あとの人が考える。我々は、これまでやってきたことを出しているだけ。
琴調 我々にとってこの客席が信じられない、呆気に取られている。
愛山 (当時住んでいた)中野から、本牧亭のある御徒町まで往復で赤字だった。

瀧口 お二方は弟子を取らないのか?
愛山 自分達が食べるのに苦労していた時代が骨身にしみている。同じ思いをさせたくないので、俺は弟子は取らない。が、琴調さんは可能性あるんじゃない?
琴調 私も、弟子は取らないですね。

瀧口 講談協会の前座・見習いについて
琴調 15人になって芸協を超えた。
   今後、どのように勉強の場を作るかが課題
瀧口 日本講談協会は、伯山さんの弟子が続々と…
愛山 予備軍もいるみたいですね。あいつは人を見ている。
   なんで伯山のことこんなに褒めてるんだろうなあ…

瀧口 今後のお二方について
愛山 自分のことしか考えていない。
   あとのことは、あとの人が考える。
琴調 前座・若手の勉強の場をどう確保するか。
愛山 『稽古』とはお客の前でやること。
   一人でやっているのはただ覚えているだけ
   「お金を払って、なぜこんなに下手な芸を見なければならないのか」
   と言う人もいるが、そこは堪えて頂いて…
   どれだけ一途にやっているか?を見て下さい。
   そこでいい人を追いかけるのもいい。
   客席の皆さんが芸人を育てるのです。

瀧口 お二方は来年50周年
琴調 来年も『東京人』さんで是非特集を!
瀧口 そのためには、是非吹聴してください!   

喬太郎さん 親子酒

喬太郎さん前回見たのはコロナ前なので4年ぶりでしょうか。
だいぶ足が悪くなっているようで、釈台を置いておられました。
愛山先生とのご縁で呼ばれたそうです。

「なぜ今日、このアウェーの公演に呼ばれたのか?」
「講談の会ならここは柳家三三でしょう」
と、半ばやさぐれ気味でした。

久々に見ても『らしい』高座で安心しました。
おみ足、お大事になさってくださいませ。

愛山さん 敵討母子連れ

「お正月のおめでたい席で、あえて暗い話を」
愛山先生『らしい』高座でいいですね。
それで黒紋付だったのかなあと想像してました。

昨年9月30日のらくごカフェ独演会にて初めて聴いてから
原作を購入して拝読しました。
↓当日のレポ

『武士道』を強烈に皮肉っている作品ですが、
同時に自分の核となるものは、動じないように生きて下さい
というメッセージが込められているのかなあと感じました。

さらに、『父性』もテーマになっているかと。
近くのお堅い親族よりも優しい釣り仲間。
竹之助は死の間際、やっと『父親』と再会できたのでしょうねえ。

おまけ
永谷商事の演芸場・押川席亭です。

少しお話できたのですが、素晴らしい公演に圧倒され
「素晴らしかった」しか言えない語彙力ゼロの人間になってしまいました(;’∀’)
次回はもう少しまともな感想を述べられるようにします…反省。

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